シンプル経営で年商50億円を実現するアシストバルールの秘訣

ビジネスの常識を覆すアシストバルール

兵庫県に拠点を持つ輸入商社、アシストバルール。社員の数はわずか20名でありながら、年商は50億円を誇る。その成功の裏には、ビジネスの常識とは対極にある「シンプルな経営哲学」がある。

スピードとシンプルさが鍵

アシストバルールの経営スタイルは、スピードとシンプルさを重視する。従来のように複雑な稟議書を回したり、効果の薄い会議を開催することはない。むしろ、アシストバルールでは「売れるか売れないかを迅速に見極める」という原則を大切にしている。

「マーケティングミックス」や「バリューチェーン」といったビジネス用語は、同社の現場では使われない。代表の松原靖雄氏は、これらの難解な用語がかえって業務を混乱させることを知り、簡潔さを重視する方向性を示した。この姿勢は、効率を追求する企業文化の象徴と言える。

現場重視の判断力

商品開発においても、マーケティング部門を置かず、現場の直感を最大限活用している。実際、当社のスタッフはサンプルを「ひたすら食べる」ことで、消費者のニーズを素早く察知する。これにより、トレンドを逃さず、速度をもって市場にアプローチすることが可能となる。

「出たとこ勝負」という方針は、一見無謀に思えるかもしれない。しかし、小規模な企業だからこそ即応力が必要であり、その柔軟性が同社の成長を後押しする要因となっている。

複雑さを排除することで得られる効率

アシストバルールでは、業務における無駄を省くことに成功している。会議や朝礼を廃止することで、社員は本来の業務に集中できる環境が整っている。その結果、業務の効率が大きく向上し、スピーディーにPDCAサイクルを回すことが可能だ。

マーケティングの新たなアプローチ

同社のマーケティング手法は、難しい分析や計画を必要とせず、直感的でシンプルなものだ。これは、多くの企業が抱える「難解な理論」に依存せずに済むというメリットがある。多様化が進む現代において、アシストバルールの手法は逆に新鮮さを感じさせる。

アシバル流の経営哲学

アシストバルールの経営哲学は、即応力やシンプルさの中に深い知恵が隠れている。大企業と同じ戦略を取る必要はないとの信念のもと、常に本質を見据えた経営を行っている。

「難しい専門用語は要らない。むしろ、やるべきことはシンプルにして、すぐに行動することが大事だ」と松原氏は語る。これは、ビジネスの現場でこそ最も求められる姿勢である。