Fusicと西部ガスが受賞したデマンドレスポンスシステムの魅力
株式会社Fusicと西部ガス株式会社が共同開発した『LINEを活用したデマンドレスポンスシステムの開発』が、日本ガス協会の2024年度「技術大賞・技術賞」においてサービス技術部門での受賞を果たしました。この受賞は、ガス事業の健全な発展や都市ガスの普及に寄与した技術が評価されたものです。
デマンドレスポンスシステムとは
デマンドレスポンス(DR)システムは、電力需給の安定性を向上させるために重要な役割を果たします。このシステムは、2022年11月にリリースされ、ユーザーが「楽しく」「能動的に」節電に関与できるよう、LINEを利用した視覚的なコミュニケーションとゲーミフィケーションの要素を取り入れています。これにより、多くのお客様が使用し、実際に電力需給の安定性の維持に貢献しています。
社会の課題解決への寄与
このシステムは、すでに多くのユーザーに利用されており、ついには他の事業者からも関心を集めるに至りました。その結果、現在1社が導入を決定しました。また、開発にはAWSのサーバーレスサービスを活用しており、経済的なコストと高い柔軟性を実現しています。このような取り組みが、電力需給のひっ迫時における社会問題の解決に貢献しているのです。
受賞に至るまでの背景
本システムの開発が始まった背景には、政府が2022年6月に実施した電力不足と電気代高騰対策がありました。この時期にFusicと西部ガスが協力し合い、節電を促すシステムを策定することとなりました。友池真祐子氏はこう語っています。「私たちは、電力不足のタイミングでお客様にLINEを通じて節電を要請することで、楽しく能動的に節電に参加してもらえるようにしました。」
開発の特徴と工夫
このシステムには特に2つの工夫が施されています。まず一つ目は、LINEを介してユーザーに節電時間を通知し、節電ボーナスをもたらすシステムです。この構築にあたっては、大量のLINEメッセージを一斉に送信するためのインフラ整備が行われ、オートスケーリングを導入することによりサーバー負荷に対応しました。
二つ目は、日々の電力使用量のデータを西部ガスと連携する仕組みです。この連携に関しては、西部ガスのニーズに応じた最適なシステムを開発するため、試行錯誤が続けられました。
結論
『LINEを活用したデマンドレスポンスシステムは、電力を利用するユーザーが楽しく節電に取り組むための新しい形を提供しています。日常的に利用しているLINEやメールを活用し、ユーザーのモチベーション向上と興味を引き起こす取り組みが続いています。今後もFusicと西部ガスは共に、より多くの人々に楽しい節電体験を提供していくことでしょう。