袋井市が取り組むカスタマーハラスメント対策
最近、静岡県袋井市の行政機関で、カスタマーハラスメントが社会問題として深刻化しています。この問題は、職員が日常的に不適切な要求や威圧的な言動にさらされ、業務に支障をきたす事例が増えています。そこで、袋井市はカスタマーハラスメントに対する基本方針を策定しました。
基本方針の背景
袋井市では、庁内各課や総合案内、夜間対応の守衛に対し、行政サービスの内容に関係のない問い合わせや、威圧的な言動が増加しているといいます。これにより通常業務にも影響が出ており、職員の士気や働く環境にも悪影響が及んでいます。
本年度から、名札の表記をひらがなのみに変更するなど、取り組みを始めました。このような対策の背景には、全国的にカスタマーハラスメントへの関心が高まっていることもあります。
基本方針の具体的内容
袋井市の基本方針には、以下のような基本的な考え方があります。
1.
従来通りの丁寧な接遇を基本とする:職員はお客様への接遇を大切にしつつ、適切な対応を心掛ける必要があります。
2.
カスタマーハラスメントの認定は慎重に行う:判断基準を明確にし、適切な対応を行います。
3.
組織として毅然と対応する:個人に任せず、組織全体で問題に立ち向かう姿勢が求められます。
また、カスタマーハラスメントの定義も明確にしています。市民等からの言動の中で、適切でない要求があり、それが職員の働く環境を悪化させる場合について指摘しています。
対象となる具体的行為
カスタマーハラスメントに該当する行為には、以下のようなものがあります。
- - 要求内容が適切でない場合:行政サービスに対して非現実的な要求をすること。
- - 社会通念上不適切な行為:暴行や中傷、継続的な攻撃など、身体や精神に対する攻撃が含まれます。
- - 環境悪化の恐れがある行為:職員が業務に支障をきたすような身体的、精神的な苦痛を受ける場合もこれに当たります。
実際の対応策
袋井市は、具体的な対策として以下の行動を推奨しています。
1.
長時間の対応の打ち切り:上席職員が加わっての切り上げが可能です。
2.
居座る客への対応:退去命令を出したり、警察の対応を要請することが可能です。
3.
電話の取り扱い:度重なる電話に対しても理由を伝えながら対応を切ることが求められます。
今後は、この基本方針を広く市民に発信し、職員への周知とマニュアルの整備を進めていく予定です。また、係長級の職員を対象に研修も行い、対応力を高めることに努めています。
カスタマーハラスメントは社会全体の問題でもあります。袋井市の取り組みを通じて、地域全体の理解が深まり、より良い職場環境が整備されることが期待されます。