地方在住者の不妊治療における課題:通院の負担と選択肢の少なさ
近年、不妊治療は身近なものとなりつつありますが、地域によって医療機関へのアクセスや治療費、情報へのアクセスなどが大きく異なる「地域医療格差」が存在します。不妊治療専門のクリニック医療法人浅田レディースクリニック(東京都港区他全国3院)が実施した「不妊治療における地域医療の実態に関する調査」では、地方在住者の不妊治療における課題が浮き彫りになりました。
通院時間の負担:理想と現実のギャップ
調査結果によると、地方在住者の約9割が仕事と不妊治療の両立に不安や難しさを感じており、その原因の一つとして「通院時間」が挙げられます。負担なく通院するためには、片道30分以内を希望する人が多い一方、実際には平均45分もかけて通院している現状が明らかになりました。特に北海道東北地方では、平均通院時間が51.7分と、他の地域と比べて長くなっています。
医療機関の選択肢の少なさ:都市部との格差
また、地方では不妊治療専門の医療機関が少なく、選択肢が少ないという問題も深刻です。東京都から離れるほど、「不妊治療の選択肢がない」と感じている人の割合が増加しており、特に北関東地方では、43.3%の人が不妊治療専門クリニックが近くにないと回答しました。
地方在住者のニーズに応える「Central ART Lab」構想
このような状況を受け、浅田レディースクリニックでは、地方在住の患者さんの通院負担を軽減するため、「Central ART Lab」構想を提唱しています。これは、地域の医療機関と連携し、採卵までの注射・エコー・採血・検査などは連携先の医療機関で行い、採卵・受精操作・胚移植などの高度な治療は浅田レディースクリニックで行うシステムです。
「Central ART Lab」がもたらすメリット
「Central ART Lab」の導入によって、以下のようなメリットが期待されます。
地方在住の患者さんの通院負担軽減: 職場や自宅から近い医療機関で治療を受けられるため、時間的・精神的な負担を減らすことができます。
高度な生殖医療へのアクセス向上: 地方の医療機関でも、浅田レディースクリニックとの連携により、高度な生殖医療を提供できるようになります。
*
胚培養士の確保難解消: 連携することで、地方の医療機関は、高度な設備や技術を持つ浅田レディースクリニックの専門性を活用できます。
地方における不妊治療の未来:地域医療格差解消への期待
「Central ART Lab」構想は、地方在住の患者さんの不妊治療の選択肢を広げ、通院負担を軽減することで、地域医療格差の解消に貢献すると期待されています。浅田レディースクリニックは、今後も患者さんのニーズに応えるべく、地域医療機関との連携を強化し、より質の高い不妊治療を提供していく予定です。