令和5年度都道府県普通会計決算の速報が示す財政状況の変化と影響
令和5年度都道府県普通会計決算の速報
令和5年度の都道府県普通会計決算の速報が、総務省より発表されました。この資料では、都道府県の財政状況について迅速な集計結果が示されています。数字は概数であり、今後の変動も考えられます。
財政状況の概要
1. 歳入
令和5年度の都道府県の歳入は、合計で58.5兆円となっています。前年と比較すると、約5.2兆円の減少が見られます。この中には通常収支分が58.2兆円、東日本大震災に関連する部分が0.3兆円含まれています。
増加の要因としては、個人道府県民税の段階的な増加が挙げられますが、逆に新型コロナウイルス対策に伴う国庫支出金や基金からの繰入金の減少が大きな減少要因となり、全体の歳入を押し下げています。
2. 歳出
歳出については、全体で56.6兆円となり、こちらも前年より約5.1兆円の減少を記録しています。具体的には、コロナウイルス感染症対策に関する補助費が大きく減少したことや、退職手当の減少が目立ちます。また、宿泊療養施設への支援が縮小されたことも影響を与えています。
3. 決算収支
全体の実質収支は8,535億円の黒字となりましたが、前年の赤字からの改善という見方もできます。一方で、実質単年度収支は987億円の赤字という結果も報告されています。全団体において実質収支は黒字でしたが、状況には差が見られます。
4. 財政構造の弾力性
経常収支比率は92.5%とわずかながら低下が見られ、実質公債費比率は10.1%で前年並みという結果でした。これにより、今後の財政運営における課題が指摘されます。
5. 地方債の状況
地方債の現時点での総額は84兆6,903億円となり、前年から約1.3兆円の減少を示しています。しかし、臨時財政対策債を除く地方債の現在高は増加しています。
まとめ
令和5年度の都道府県普通会計決算速報は、地方財政における変化を明らかにしました。特に、新型コロナウイルス感染症の影響が色濃く現れており、地方自治体は今後の財政運営に向けて一層の対応が求められます。各地方自治体が持続可能な財政運営を行うために、どのような政策や制度が必要か深く考える必要があります。今後の動向に注目が集まります。