ゲームアプリ市場の最新動向とマネタイズ戦略
2025年7月に六本木ヒルズで行われたトークセッションでは、ゲームアプリ市場の最新トレンドや成長戦略について、株式会社Skyfallの池田氏、Sensor Towerの秋本氏、株式会社フォーエムの萩原氏がそれぞれの視点から語りました。
1. 最近のゲームアプリ市場の変化
セッションの冒頭、Sensor Towerの秋本氏は、ゲームアプリ市場における新たな傾向について言及しました。新規リリースタイトルの収益性が高まる一方で、既存タイトルの収益性が落ち込んでいるとのことです。特に、ストラテジーゲームの人気が上昇し、ユーザーが魅力を感じるタイトルには積極的に支出する傾向があります。
ユーザーの期待値が高くなっている中で、高品質なサービスが提供されることで、課金意欲の向上が見込まれています。これにより、ユーザーの満足度や信頼感が向上し、さらなる収益の増加を導いていると述べました。
2. マネタイズ手法の進化
続けて、Skyfallの池田氏は、近年のマネタイズ手法に注目しました。ソーシャルゲームにおけるアプリ内広告(IAA)の導入が進んでおり、特に『SKYFLAG』がこれを促進しています。リワードマネタイズの導入により、既存ユーザーの満足度が向上し、DAU(1日あたりのアクティブユーザー数)やIAP(アプリ内課金)の増加に寄与しています。この相乗効果が収益を押し上げていることが強調されました。
フォーエムの萩原氏は、無課金でプレイするライトユーザー層にとってIAAが重要であるとし、広告はユーザーが価値を感じるタイミングで表示することが効果的であると語りました。
3. 日本市場の課題と海外市場の戦略
次に、日本のゲーム市場が直面する課題と、韓国含む海外市場での成功事例についての議論がありました。池田氏は、韓国市場の特性について話し、ARPU(1ユーザーあたりの平均売上)が日本よりも低いことを指摘。外部決済の導入が進むことで、ユーザーの選択肢が広がり、全体の利益率を高める動きが顕著だと述べました。
また、日本市場と海外市場のマーケテイングアプローチやデータ分析の重要性についても語られました。海外ではマーケターが細分化され、リスク管理が強化されており、これらの差異が収益化戦略にも影響を与えていると指摘。
4. 成長戦略と新たなアプローチ
セッションの最終部分では、将来の成長戦略についての見解が示されました。秋本氏は、マルチプラットフォーム展開が重要で、これによりより多くのプレイヤーを獲得する可能性があると述べました。池田氏は、今後の法改正を見据えた外部決済の導入やポイント還元施策の重要性を強調しました。
最後に、萩原氏はIPの活用について語り、従来のアニメキャラクターに加え、リアルなアーティストなどのIP活用の新しい可能性に注目が集まっています。これにより、エンゲージメントの向上を期待することができると述べました。
まとめ
今回のセッションを通じて、ゲームアプリ市場は収益化手法やマーケティング戦略が急速に進化していることが明らかになりました。新たな手法や市場特性に対応した戦略が、未来の成長を左右することとなるでしょう。