コーヒーがつなぐ新たな社会参加の形
コーヒーという共通の愛を通じて、障がいを持った人々が社会に参加できる機会が提供されています。ビーンズ・コネクティッド株式会社の取り組みは、その象徴的なプロジェクトです。今年の4月1日、同社は「April Dream」というプロジェクトに賛同し、夢を発信しました。その夢とは、コーヒー豆の焙煎が手軽に行える小型自動焙煎機の開発です。
開発経過と新型焙煎機の登場
ビーンズ・コネクティッドは、2021年の創業以来、約4年間にわたってコーヒー焙煎機のフィジビリティ・スタディ(F/S)を実施してきました。プロトタイプを用いて多くの実証実験を行い、様々な課題を明確にし、改良を重ねてきました。その結果、2027年秋に新型モデルの発売を目指すことが決まっています。この新型焙煎機は、焙煎温度を設定し、スタートボタンを押すだけで自動的にコーヒー豆を焙煎できます。
特徴的な焙煎プロセス
新たに開発中の焙煎機は、電気式で遠赤外線ヒーターを使用。これにより、豆の内部まで均一に熱が加わり、過剰な焦げや生焼けを防ぎます。また、操作が簡単で、自分好みの焙煎ができるように温度設定が詳細に行えます。
さらに、この機械には連続焙煎機能や煙の排出を最小限に抑える機能が搭載されており、どこにでも設置できるコンパクトなデザインです。シンプルな外観は、カフェのインテリアにもぴったりです。
社会参加を支援するビジョン
ビーンズ・コネクティッドがこの焙煎機に込めた願いは、障がいを持つ方々が社会参加できるプラットフォームを提供することです。特に、個人経営のカフェや支援事業所との連携が見込まれ、それぞれの利用者が焙煎士としての仕事を担えるようになります。
プロトタイプの貸し出しを行った結果、流山市の「いろいろや・ハーモニー」などの事業所では高い評価を得、年間450万円の売上を達成するなどの成功事例が生まれました。また、利用者の工賃も大幅に増加し、経済的な自立を助けることができています。このような顕著な成果は、障がいを持つ人々が自信を持って社会に参加できる未来への道を切り開いています。
壊れないマシンを目指して
元々、開発者は「壊れない焙煎機」を目指していましたが、実際の使用では壊れることが多く、その反省を踏まえて、メンテナンスしやすい設計へと方針を転換。返却された焙煎機もすぐに修理できる体制が整えられ、サブスクリプション方式での運用が計画されています。これにより、利用者が安心して機械を使用できるように配慮されています。
限定版の復刻版と未来への展望
ビーンズ・コネクティッドは、2025年に200台限定のプロトタイプ復刻版を販売する計画を発表。これを契機に、地域のカフェや障がい者支援事業所との連携をさらに強化していきます。ロコベルのスローガンである「国境を越えて、人とひと、社会をつなぐConnected Coffee」を合言葉に、多くの人々にコーヒーを通じてつながりの機会を提供していく所存です。
最後に
障がいを持つ人々が活躍できる新たな社会の実現に向けて、ビーンズ・コネクティッドの挑戦は続きます。夢を実現するため、企業としての、また個々の情熱を忘れず、未来へと進んでいきます。コーヒーの力がもたらす温かな絆を信じて、これからも歩んでいきたいと願っています。