株式会社ディー・エル・イー(DLE)は、アジア市場へのアクセスを強化するため、MYFEEL Inc.という台湾の子会社を通じて新しいビジネスモデルを立ち上げました。このモデルは、越境型予約販売を基本にし、特に台湾市場に焦点を当てています。この唯一無二の取り組みは、日本の地域事業者や自治体と連携し、さらなる国際展開を図るものです。
2025年の初めには、岐阜県から委託を受けた連携プロジェクトが進行中です。これは、地域の事業者が台湾の消費者に直接アクセスできる機会を提供し、MYFEELの予約販売プラットフォームを活用して現地販売を行います。このプロジェクトには、岐阜県内のさまざまな企業が参加しており、それぞれの特産品や商品を台湾市場に届けることを目指しています。
参加している事業者の一部は、三星刃物、ニッケン刃物、株式会社丸モ高木陶器、有限会社高納商店、芳泉窯など、岐阜県の伝統と技術を生かした企業です。たとえば、三星刃物は家族向けからプロフェッショナル向けの高品質包丁を製造しており、特に高級包丁シリーズ「和-NAGOMI-」が注目されています。また、ニッケン刃物は日本刀を模した斬新なデザインのはさみやペーパーナイフを手がけており、戦国武将・織田信長をテーマにした商品を展開しています。
さらに、株式会社丸モ高木陶器は、色の変化を楽しめる「四季の冷感グラスセット」を販売し、飲む楽しさと見た目の美しさを兼ね備えています。他にも、高納商店が提供するナノバブルシャワーヘッドは、肌に優しい洗浄力を備え、生活に新しい価値をもたらしています。そして、芳泉窯の「likestone」フラワーベースは、現代のライフスタイルにマッチした魅力的なデザインが特徴です。
この新しいモデルの販売は、売上合計300万円を突破する成功を収めています。これは、単なる越境販売にとどまらず、特設ページの設置や、台灣のインフルエンサーとのコラボレーション、SNSプロモーション、さらには台湾の蔦屋(TSUTAYA)での展示など多角的なマーケティング施策が要因です。
DLEとMYFEELによるこのビジネスモデルは、自治体や地域企業にとって、越境販売を支援するだけではなく、日本語・中国語による現地サポートなども整備しています。マーケティング施策や物流支援をワンストップで提供することで、参加事業者は屋内リスクを最小限に抑えることができます。また、予約販売形式を採用することで、事前に現地消費者のニーズを反映した商品の提供が可能になります。
これにより、参与企業はターゲット市場の声をダイレクトに受け取り、商品企画やデザインの改善につなげることができるのです。特に、海外に展開したいが具体的な手法がわからない企業や、地域の魅力を発信したい自治体にとって、このスキームは画期的なソリューションとなります。
現在、DLEグループは、この越境型予約販売モデルの拡大を計画中で、今後他の地域でも実施される予定です。すでに第2弾のプロジェクトも進行しており、興味のある地域企業や団体の相談も受け付けています。
MYFEELについては、台湾唯一の日系クラウドファンディングプレートフォームとして、多数の日系企業プロジェクトを展開しており、クラウドファンディングを通じたテスト販売を行い、市場調査を実施することで、消費者のニーズを把握する仕組みを構築しています。
地域の企業が持続的に国際展開を進めるために、このような新たなスキームを取り入れることが重要です。DLEグループの今後の取り組みから目が離せません。