製品紹介:日本語版医療特化型LLM『ELYZA-LLM-Med』
株式会社ELYZAは、内閣府の支援を受け、医療の分野に特化した大規模言語モデル(LLM)の開発を行いました。この新しいモデル、名付けて『ELYZA-LLM-Med』は、医療関連の様々なタスクにおいて、従来の技術を大きく上回る性能を誇ります。
開発の背景
昨今、医療分野におけるAIの活用が進みつつありますが、特に日本語に対応した高性能な医療LLMは不足していました。そこで、ELYZAは国産でありながら、世界トップレベルの精度を持つ日本語版医療LLMを開発することを決意しました。これにより、国内の医療従事者が直面する課題を解決するための強力なツールを提供することを目指しています。
対象としたユースケース
この研究では、以下の具体的なユースケースに焦点を当て、モデルの適合性を開発しました:
1.
電子カルテ標準化のための情報変換
2.
診療報酬明細書の作成を補助する情報推薦タスク
これらのユースケースは、医療現場での日常業務を支援し、医療従事者の効率を高めることを目的としています。
目指す性能
日本医療に即したLLMの開発において、ELYZAは従来の医師国家試験ベンチマーク「IgakuQA」で国内最高性能を達成することを目指しました。その結果、特に「ELYZA-Med-Instruct-1.0-Qwen2.5-72B」は、グローバルトップレベルを超える精度を実現しています。これは、AIのデータ処理能力を効果的に取り入れ、医療に特化した情報を正確に扱うことができる証でもあります。
研究の役割と成果
本研究において、ELYZAは東京大学松尾・岩澤研究室やさくらインターネット、株式会社ABEJAと連携し、医療関連データの取得と処理を行いました。データのセキュリティにも配慮して、理化学研究所の安全な計算基盤環境で検証を実施しました。
このプロジェクトの成果として、医療現場における日常業務を支援するための一歩を踏み出しました。特に、電子カルテの標準化や診療報酬明細書の整備を効率的に行うためのツールは、医療の質を向上させる効果が期待できます。
今後の展望
株式会社ELYZAは、さらなる医療LLMソリューションの開発を進め、特定領域へ特化したモデルを展開していく予定です。特に、大量データを扱うことが必要なため、データパートナーやPoCパートナーも募集しています。今後も医療分野におけるAIの社会実装を推進し、自然言語処理技術の発展に寄与していくことを約束します。
会社情報
- - 会社名:株式会社ELYZA
- - 所在地:〒113-0033 東京都文京区本郷3-15-9 SWTビル 6F
- - 代表者:曽根岡 侑也
- - 設立日:2018年9月4日
- - 公式サイトはこちら
今回の取り組みこそが、新しい医療の未来を切りひらく第一歩であると信じています。