株式会社フェイガーが農業由来のカーボンクレジット認証を取得
株式会社フェイガーは東京都に本社を置く企業で、持続可能な農業の実現に向けてカーボンクレジットの生成・販売に取り組んでいます。この度、同社は日本の農業由来のカーボンクレジット認証の中で最大規模となる135,944t-CO2を取得しました。これは第64回J-クレジット制度認証委員会で認められた「水稲栽培における中干し期間の延長」プロジェクトの成果です。
クレジット生成の実績
フェイガーは2023年にJ-クレジット制度に基づいて取り組みを開始し、初年度には61件の生産者から5,778t-CO2のクレジットを生成しました。その全量は企業向けに販売されています。そして2024年には、前年の20倍にあたる1,221件の生産者・25,202haで135,944t-CO2を生成することに成功しました。この規模は、東京ドーム約5,319個分に相当します。
認証取得の背景
フェイガーの代表取締役を務める石崎貴紘氏は、「この成果は全国の生産者や地域のパートナー企業の協力があってこそ」と語っています。特に、同社内部の農業専門家が生産者のニーズに寄り添った支援を行っているため、スムーズな申請プロセスが実現できています。生産者からのフィードバックでも、ほとんどの方が今後もフェイガーとの継続的な取り組みを希望しているということです。
生産者の声
愛知県岡崎市の小久井農場を経営する小久井孝幸社長は、「お米は日本人の食文化の一部であり、地域の農業を守るためには持続可能な仕組みが必要」と述べています。彼は高温障害や耕作放棄地による問題に直面しており、クレジットの導入によって得た収益を人件費に充て、地域の食文化を守るために努めています。
クレジット購入企業の傾向
フェイガーの執行役員である上本絵美氏は、2024年に認証された6,000t-CO2の全てが購入済みであることを明かしています。最近では企業が地域貢献や生産者支援を目的としてカーボンクレジットを購入する傾向が強まっています。特に、地域とのつながりを重視する企業が増え、その思いを伝える重要性が高まっています。
未来への計画
フェイガーは2025年に向けて、全国で5,000件の生産者と協力し、300,000t-CO2のクレジット創出を目指しています。また、2027年までに日本の水田の20%を対象に1,000,000t-CO2の脱炭素を推進するという野心的な目標を掲げています。クレジット創出とともに、収量向上や手間削減のための研究開発にも注力しており、「持続可能な農業体系の構築」を目指しています。
結論
持続可能な農業と地域の支援に努める株式会社フェイガーの取り組みは、企業と農業の新たな関係を築くものです。農家と企業が連携し、持続可能な未来を目指す姿勢は、さらなる成長を遂げていくことでしょう。私たちもまた、こうした取り組みを応援し、地域の農業文化を守っていく責任があります。