防災対策への意識が高まる主婦たちの実態とその理由とは
東日本大震災から14年が経過する中で、株式会社ナック(東京・新宿)が主婦を対象に行った「防災意識」に関する調査結果が注目を集めています。この調査は、主に被災経験の有無による防災意識の差異を明らかにしています。500人の主婦を対象にしたこの調査では、特に日常生活における防災意識の重要性が浮き彫りになりました。
調査概要
調査は2025年1月22日に実施され、回答者は20代から60代の主婦500名(被災経験者106人、非経験者394人)でした。結果は、被災経験の有無により防災対策の実施状況や予算に大きな違いが見られることを示しています。
主婦の防災意識
調査の結果、主婦の21.2%が「被災経験あり」と答えています。被災経験がある人の65.1%が防災対策を講じていると回答したのに対し、非経験者は43.4%にとどまりました。このことから、被災の経験が防災対策に対する意識を高めていることがわかります。
実施している防災対策の内容
多くの主婦が取り組む防災対策のトップ3は、「防災セットやバッグの用意」「保存水」「保存食」です。特に、被災経験がある主婦は「家具の固定」や「家族との連絡方法の設定」なども重要視しています。これは、実際に被災した経験を基に、より具体的な対策が求められているからでしょう。
防災バッグの中身
防災バッグには「飲料水」「保存食」「懐中電灯」が必須アイテムとしてランクインしました。また、最近では「マスク」や「医薬品類」、「手指消毒用アルコール」などの衛生用品も重要視されています。これは、COVID-19の影響も一因と言えるかもしれません。
特に重要視する防災グッズ
被災経験の有無に関わらず、主婦たちは「飲料水」「保存食」「現金などの貴重品」の重要性を認識しています。しかし、被災経験者は「医薬品」や「洗面用具」の重要性も強く感じており、より具体的な避難生活を考慮していることが見て取れます。
防災対策にかける費用の違い
防災対策にかける費用についても大きな差が見られ、被災経験がない主婦の92.1%が「3万円未満」との回答でしたが、被災経験がある主婦のうち23.3%は「3万円以上」をかけていることが明らかになりました。このことからも、実際の経験が防災意識と行動を変える要因であることが証明されています。
結論
今回の調査結果は、特に未経験の主婦が防災意識を持つ重要性を再認識させるものです。一方で、被災経験がある主婦は具体的な意識の変化を実践に生かしていることが結果から浮かび上がりました。未経験の主婦にも対策の重要性を啓発し、地域全体での防災意識を高めることが求められています。
参考情報
株式会社ナックは、1971年に創業し、様々な事業を展開しています。防災意識の向上のため、宅配水の利用提案や防災セミナーの開催を通じて国民の意識啓発に努めています。