生成AI医療文書生成ソリューション「CocktailAI」、Google Cloud主催コンテストで優秀賞受賞
2024年10月24日、Google Cloud主催の「Generative AI Summit Tokyo '24 Fall」にて開催されたピッチコンテスト「第2回生成AI Innovation Awards」において、フィッティングクラウド株式会社が提供する生成AIを活用した医療文書生成ソリューション「CocktailAI」が優秀賞を受賞しました。100を超える応募の中からファイナリスト12社に選出され、その革新性と実用性が評価された結果です。
CocktailAI:医師の負担軽減を実現するAIソリューション
「CocktailAI」は、電子カルテの情報から、退院時サマリや診療情報提供書といった医療文書を自動生成する画期的なソリューションです。特許出願中の独自のテンプレートを活用することで、精度の高い文書作成を可能にしています。京都大学医学部附属病院との共同研究では、眼科における診療情報提供書作成において、生成された文章の92%が「そのまま利用可能」「微修正のみで利用可能」「記載追加のみで利用可能」と評価され、医師の作業負担を大幅に軽減できることが実証されました。
さらに、「CocktailAI」は、AIが生成した文言と元の診療録を同時に表示する機能を搭載。医師はAIによる生成過程を容易に確認でき、AIによる文書作成における正確性への懸念も解消しています。この高い透明性と信頼性が、評価の高さを支えていると言えるでしょう。
Google Cloudの生成AI技術との連携
「CocktailAI」はGoogle Cloudの生成AI技術を基盤として開発されており、その高度な技術力が今回の受賞に繋がりました。「Generative AI Summit Tokyo '24 Fall」では、生成AIの社会実装に向けた企業の取り組みが多数紹介されました。Google Cloudは「Gemini」や「Vertex AI」といったサービスを通じて、企業の生成AI活用を支援しており、「CocktailAI」はその成功事例として高く評価されたと言えるでしょう。
今後の展開と展望
フィッティングクラウド社は、今後「CocktailAI」の更なる進化を目指しています。最新の生成AIモデルの導入による性能向上や、他社製品への組み込み、クリニック向け電子カルテ「REMORA」との連携などを進めることで、より多くの医療機関への導入を目指し、医師の負担軽減と医療現場の効率化に貢献していく計画です。既に、同社の文書作成システム「DocuMaker version 3」との連携は実現しています。
フィッティングクラウド株式会社について
フィッティングクラウド株式会社は、ファインデックス株式会社と京大オリジナル株式会社の合弁会社として設立された企業です。クラウドソリューションと医療AI技術の提供を通じて、医療機関における情報連携、診療データの管理分析、患者と病院の新しいコミュニケーションの構築などを支援しています。医療情報システムの専門家集団として、医療現場の課題解決に積極的に取り組む姿勢が、今回の受賞にも繋がっていると言えるでしょう。
まとめ
「CocktailAI」の優秀賞受賞は、生成AI技術が医療現場に革新をもたらす可能性を示す重要な出来事です。今後、医療AI分野における更なる発展と、医師の業務効率化への貢献に期待が高まります。