不動産業界の勝者、LIFULL HOME'Sの新たな挑戦
不動産・住宅情報サービスの「LIFULL HOME'S」は、ユーザーが求める住まいの情報を提供する企業である。その提供する情報は、賃貸物件から一戸建て・マンションの購入、注文住宅、さらには住まいの売却に至るまで多岐にわたる。このたび、同社は行動データ分析ツール『Amplitude』を導入し、その施策実施の成果を劇的に向上させた。その背景と導入後の効果について、詳しく見ていこう。
Amplitude導入の背景
LIFULL HOME'Sのコンセプトは「叶えたい!が見えてくる。」。顧客一人ひとりに寄り添った情報提供に力を入れているが、以前はデータ分析の手法に限界があり、課題を抱えていた。具体的には、現場でのデータ分析のリアルタイム化が難しく、またセッションベースでの分析に限られた結果、顧客行動に関する深い洞察も得られなかった。これらの課題を克服するために、Amplitudeの導入が決定された。
導入による素晴らしい効果
Amplitudeを導入した結果、LIFULL HOME'Sは驚異的な成果を上げた。具体的には、施策の獲得CVは10倍に向上し、市場学習回数(PDCAの回数)や施策成功率も大幅に向上した。この成功の秘訣は、各職種間での協業体制が強化され、企画、デザイン、エンジニアが一体となってツールを活用したことにある。
データの解析速度と精度が向上したことで、ユーザーの行動に関する課題が見つけやすくなり、さらなる施策のアイデアも得やすくなった。データの抽出やグラフ作成の手間が減少し、プロダクトマネジメントに集中できる環境が整った。これにより、LIFULL HOME'Sは今後もユーザーに寄り添った物件情報を提供するためのサービス改善を加速していくことが可能となる。
ユーザーの声
LIFULL HOME'S事業本部のグループ長である梁取義宣氏は、Amplitudeの導入に関して「獲得CV数は10倍増加し、施策成功率は2.8倍、市場学習回数は1.5倍増加した」と語った。さらに、「エンジニアやアナリストが豊富でなくても、数回のクリックで見たいデータを確認できるため、課題発見プロセスが効率化された」とも述べている。このような進展を受け、社内の利用者数は240名に達した。
Amplitudeとは
Amplitudeは、IBMやWalmart、PayPalなど、約3,000社以上に導入されているアメリカ発の行動分析ツールである。このツールは、オンラインデータだけでなく、店舗のPOSデータも統合して顧客行動を分析できる。これにより、専門的なデータサイエンティストが不在でも、マーケターやプロダクトマネージャーが簡単にデータ分析を行える環境が整う。
株式会社DearOneの役割
Amplitude導入のサポートを行ったのは、NTTドコモの新規事業型子会社である株式会社DearOneである。DearOneは、豊富なアプリ開発の実績に基づき、様々なマーケティングテクノロジーツールを提供しており、企業のデジタルプロダクト成長を支援している。LIFULL HOME'Sとの連携を通じて、これからも社会課題解決に向けた取り組みを進めていくことが期待される。
結論
LIFULL HOME'SによるAmplitudeの導入は、単なるツールの使用にとどまらず、データ駆動型の意思決定を進めるための重要なステップであった。今後も、同社は顧客に寄り添い、最適な住まいの情報を提供するためにさらなるサービス改善に努めていくことであろう。これからのLIFULL HOME'Sの展開に目が離せない。