令和6年度市町村予算決算速報：財政健全性の現状とその影響

令和6年度市町村普通会計決算速報

2023年9月30日、総務省は令和6年度の市町村普通会計決算の概要を速報として発表しました。この報告は、全国の市町村1,741団体の財政状況を示すものであり、その内容は地方自治体にとって極めて重要です。集計は令和7年8月末時点で行われており、数値は概数であるため今後変更される可能性があります。特に、今回は東日本大震災に関連する復旧・復興事業や全国防災事業にかかる決算も考慮されています。

資料の概要

報告書は主に歳入、歳出、そして決算収支の3つの部分に分けられています。歳入は71.4兆円となり、前年からは2.7兆円の増加を見せました。この中には、通常収支分で71.2兆円、震災関係分で0.2兆円が含まれています。増加の要因としては、定額減税に伴う地方特例交付金の増加や、普通交付税の増が挙げられますが、一方で、新型コロナウイルス感染症に対する臨時交付金の減少も影響しています。

歳出とその影響

歳出は69.1兆円であり、これも前年に比べ2.7兆円増加しました。具体的には、通常収支分で68.9兆円、震災関連分で0.2兆円です。支出の増加要因には、認定こども園などの施設に対する財政支援や、地方公務員の給与に関連する費用の増加が含まれています。また、物価高騰によって物件費も増加していることが報告されています。

財政収支と構造の弾力性

実質収支は1兆7,387億円の黒字で、前年よりも107億円増加していますが、実質単年度収支は1,843億円の赤字となり、前年度より1,526億円悪化しました。全体としては、全市町村が実質収支の黒字を達成しており、そのほかの財政指標も注視されています。特に、経常収支比率は93.8％に達し、0.7ポイント上昇しています。