獣医師の70%がペットショップの子犬販売に反対
近年、日本の獣医師の間でペットショップやペットオークション経由の子犬販売に対する懸念が高まっています。
この問題について、株式会社ペトリコウェルが実施した調査結果では、なんと約70%の獣医師がこの販売形態に反対の意を示したことが明らかになりました。
日本のペット流通の現状
日本では、ペットショップを通じて子犬を迎えるのが一般的なスタイルです。主な流通ルートは以下の3つに分けられます。
1.
ブリーダー → ペットオークション → ペットショップ → ユーザー
2.
ブリーダー → ペットショップ → ユーザー
3.
ブリーダー → ユーザー
特に1と2の流通が全体の54.2%を占め、ペットショップ経由での販売が主流となっています。しかし、この流通過程には多くのリスクが伴うことが獣医師たちから指摘されています。
獣医師たちの声
調査では、約8割の獣医師が子犬の健康に対する危険性を具体的に認識しています。特に指摘されたリスクは以下の点です:
- - 長距離移動による身体的負担
- - 何度も環境が変わることによるストレス
- - 狭い環境での生活による発育への影響
獣医師の今本成樹氏は、「ペットショップでは子犬が多くのストレスを受けている」と指摘。さらには、社会化不足や感染症リスクについても言及し、心身に深刻な影響を及ぼす正しい環境でないことが大きな問題であると強調しました。
海外における規制の現状
さらに、日本の流通システムは他国の法規制に対して隔たりが大きいことも問題視されています。欧州諸国やカリフォルニア州などではペットショップでの生体販売が禁止されているところが増えています。
それに対し、日本ではいまだペットショップを経由しないと子犬を迎えられない流通形態が多いため、より多くの専門家がその改善を求めています。
直販でも注意が必要
最近では「ブリーダーから直接子犬を迎える直販」が増加していますが、これにも注意が必要です。実際には、直販のブリーダーでも、ペットショップやペットオークションに卸しているところも多々見受けられ、それが「優良ブリーダー」として表示される事例もあるとのことです。
本当に大切に愛犬を育てているブリーダーは、そんな流通を行わない可能性が高いといえます。
最後に
今回の調査結果は、日本のペット流通の“当たり前”の裏に潜んでいるリスクを明らかにしました。文中で紹介したように、ペットショップ経由の販売に関する懸念は専門家たちの間で真剣に受け止められており、この状況を改善するための努力が必要です。私たちも一人ひとりがこの現実を知り、大切にワンちゃんとの幸せな生活を築いていくために、確認を怠らないことが求められています。
【Breeder Families】による改善への取り組み
株式会社ペトリコウェルは、ペットショップを通さずに責任を持って繁殖を行う「優良ブリーダー」のみを厳選して紹介するマッチングサイト『Breeder Families』(https://breederfamilies.com/)を運営しています。
このようなサービスの普及を通じて、ペット業界全体の改善を目指しています。
そのためには、私たち一人一人が意識を変え、正しい情報に基づいた選択をすることが求められています。