インコ療法食開発
2025-06-04 15:15:30

岡山理科大学の学生が挑むインコ療法食の開発とクラファン成功物語

岡山理科大学の獣医学科に在学中の野呂綾香さんが、インコの療法食作りに情熱を傾けています。ペットフード市場では、犬や猫用の療法食は一般的ですが、インコ用は明らかに不足しており、これが彼女の挑戦の出発点となりました。

野呂さんは、自宅で飼っているセキセイインコが肝性脳症を発症するという経験から、「インコに特化した療法食の重要性」を強く感じるようになりました。獣医臨床栄養学を学んでいる彼女は、特定の病状を持つインコにも栄養をしっかりと与える必要があると認識しました。具体的には、主食であるシードのバランスを調整し、肝機能が低下したインコに対してタンパク質を制限、さらには低血糖を防ぐための炭水化物摂取にも配慮。これにより、1年にわたってインコの生命を維持できたという成果を持っています。

しかし、インコ用の療法食の選択肢は限られており、多くのインコは粒状のペレットタイプを摂取するのが難しい場合があります。これに気付いた野呂さんは、「自分で療法食を作ることが解決策になる」と決意しました。

目指しているのは、栄養学的にバランスが良く、食べやすい特製の食事です。そのレシピは、シードとペレットを1:1で混ぜることで、インコの健康をしっかりと支えることを意図しています。このアイデアを持って、彼女は2023年2月に岡山大学で開催された「PSI学生アイデアピッチ」コンペティションに参加し、「ちゅうぎんキャピタルパートナーズ賞」を受賞しました。

この受賞をきっかけに、クラウドファンディングによる資金調達に挑戦することになりました。プロジェクト名は「愛鳥の健康状態に合わせた食餌の販売」で、50万円の目標額を設定。SNSでのプロモーションも行い、多くの支持を得た結果、107名から合計67万5,450円が集まりました。その中で8割以上が女性からの支援であったことに、彼女は驚きと感謝を覚えたといいます。

支援してもらった資金をもとに、彼女は健康なセキセイインコやオカメインコを対象にした食餌の開発に着手する予定です。具体的には、栄養素や食事量については「オウムインコ類マニュアル」などの専門書を参考にし、特に老鳥にはエネルギーとビタミンを強化したレシピの開発を計画しています。

シードは業者から仕入れ、ペレットは家畜用の製品を製造する会社に委託して製造する方針です。その一方で、試作品の療法効果の検証方法も模索しており、周囲の教員と連携しながら実施していくとのこと。今後の進展が期待される中、野呂さんは獣医師国家試験の勉強も怠らず、自らの夢を追い続けています。「犬や猫と同じように、インコが病気になった時にも病院で適切な療法食が処方されるようになってほしい」と語る彼女の姿に、未来への情熱が感じられます。目指すは「愛媛県で公務員の獣医師としての道を歩むこと」です。彼女の挑戦が実を結ぶ日が来ることを願っています。


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