沖縄で開催される戦後引揚げ75周年記念企画展
沖縄県中城村で「久場崎と舞鶴 ~ふたつの港の戦後引揚げ~」という記念展が行われます。この展示は、舞鶴市が所蔵する「舞鶴への生還」といったユネスコ世界記憶遺産登録資料を基に、シベリア抑留や引き揚げに関する資料を展示し、戦後引揚げの歴史を振り返るものです。
この企画展は、舞鶴市と中城村の共催であり、沖縄初の開催となります。
戦後の引揚げの現状
第二次世界大戦後、約660万人が日本に復帰を果たしました。特に沖縄では、約18万人が南方の諸島や台湾から帰還しました。その中でも、久場崎港はその主要な入口であり、75年前の1946年8月17日には、ここに引揚げ者の第一陣が到着しました。
一方、舞鶴港は日本海に面し、戦後約66万人が満州やシベリアから引き揚げてきました。この港は、引揚げ港の中でも特に長い間、戦後の復員作業を担い続け、昭和33年まで受入れを行いました。中でも記憶に残るのは、「岸壁の母」という歌謡曲で、帰らぬ息子を待つ母親の姿が描かれ、多くの日本人に共感を呼ぶ歴史的な作品です。
展示内容の特長
この企画展では、久場崎が南方から、舞鶴が北方から引き揚げ者を受け入れたという特徴を持つ両港の違いに焦点を当てています。それぞれの港の引揚げの様子や、それによって影響を受けた人々の物語を展示することで、参加者に戦後引揚げの大局的な視点を提供し、より深い理解を促したいと考えています。
また、久場崎と舞鶴を結ぶ人々の存在も忘れてはなりません。満州やシベリアからの帰還者が、舞鶴を経由して久場崎に戻ったことを記憶に留めてほしいというメッセージも込められています。
展示会の詳細
- - 会期: 令和4年3月12日(土)~3月27日(日)
- - 開館時間: 10:00~17:00(初日のみ11:00開場)
- - 休館日: 毎週火曜日、毎月第3木曜日
- - 入館料: 無料
- - 主催: 中城村、舞鶴市、舞鶴市世界記憶遺産保存活用推進委員会
- - 会場: 中城村護佐丸歴史資料図書館3F企画展示室
沖縄県中城村字安里215
電話: 098-895-5302
- - 担当者: 澤岻・比嘉(中城村護佐丸歴史資料図書館)、奥本・清(舞鶴引揚記念館)
この企画展は、戦後引揚げの歴史を次世代に伝える重要な役割を果たすことを目指しています。ぜひ多くの方々に訪れて、歴史を知るきっかけにしていただきたいと思います。