デジタル変革で萩原工業が進化する!CADDi導入で競争力強化へ
近年、デジタル技術の進化は製造業界の変革を促しています。その最前線で戦う萩原工業株式会社が、製造業AIデータプラットフォームであるCADDiを導入し、目覚ましい効果を上げています。今回は、CADDiを活用した同社の事例を詳しくお伝えします。
課題と導入背景
萩原工業は、合成樹脂製の糸「フラットヤーン」を中心に展開する企業です。そのエンジニアリング事業部門では、長年にわたりデータ検索に関する非効率が大きな課題でした。技術や情報が個人の経験に依存していたため、特に若い世代や設計未経験者は必要な情報にアクセスするのが難しかったのです。さらに、複数のシステムを通じて情報を探すために毎月650時間以上もの工数がかかってしまい、結果的に部門間の情報共有が不十分で、見積もりプロセスでのミスが頻発していました。
このような非効率性により、機会損失が発生するリスクが高まっていました。そのため、萩原工業はCADDiの導入を決断しました。
導入効果
CADDiを導入した結果、データ検索時間が大幅に短縮され、月に370時間以上の工数削減が実現しました。この時間を営業や技術提案など、付加価値の高い業務に振り分けることが可能となりました。
また、全社員がアクセスできるデータおよびナレッジ基盤が整備されたことで、若手社員も自ら情報を検索し、業務を進められるようになりました。このため、ベテラン社員に頼らない構造が築かれ、組織の中に新たな文化が生まれました。データに基づく質の高い改善提案が続出し、社内表彰制度の「S賞」を2度受賞し、「社長賞」も獲得しました。
さらに、部門横断で同じデータを基にした議論ができるようになったことで、見積もりプロセスでの認識のズレや手戻りが減少。ミスが削減され、データに基づいた客観的な意思決定が可能になりました。これにより、大型案件の最適な調達を実現し、企業の競争力が高まりました。
今後の展望
部門を越えたデータ活用に成功した萩原工業は、若手社員の成長を力に変え、全社最適化に向けた新たな挑戦を開始しています。次の目標は、設計部門の改革です。設計者が過去の図面を新たに描き直すため、後工程の生産管理に過剰な負担をかけている現状を改善することが急務となっています。
今後、設計部門にもCADDiを促進し、部門間でのデータ共有をより強化し、業務の効率化を目指します。
さらに、過去の不具合や加工上の注意点といったナレッジをCADDiと結びつけ、ベテラン社員の持つ暗黙知をデータとして可視化し、全社員が同じレベルの判断力を持てる環境を整えることも今後の目標になります。
コメント
敬意を表する萩原工業の生産管理部部長、伊丹氏は次のように語ります。「CADDiの導入により、データ検索にかかる時間が一人当たり月20時間を下回りました。その効果は非常に大きく、若手社員が自ら情報を調べて対応できるようになり、組織としても一段階レベルが上がりました。」
同様に、エンジニアリング事業部門の平野氏は、「データ探しの時間が短縮され、投資回収の確信を持っています。設計部門の改革が今後の課題です。」と述べています。
まとめ
萩原工業の最近の施策は、デジタル変革の成功事例となっており、CADDiを通じて得られた効率化と情報共有の促進は同社にとって今後の成長を更に加速させることでしょう。製造業界におけるデジタル化の潮流を受け、企業が次にどのような成果を上げるのか、ますます注目が集まります。