大阪・関西万博における「TEAM EXPO 2025」の取り組み
2025年に開催される大阪・関西万博は、未来を見据えた多様な取り組みが期待されています。今回は、その中でも特に注目を集めている「リチウムイオンバッテリーの回収・資源循環の確立とサステナブルリサイクルの実現」プロジェクトについてご紹介します。このプロジェクトには株式会社商船三井、マークテック株式会社、リーテックリニューアブルエナジーソリューションズ株式会社、KDDI株式会社、株式会社エマルションフローテクノロジーズの5社が参加します。
このプロジェクトは、リチウムイオンバッテリーの安全な回収とそのリサイクルを主な目的としています。リチウムイオンバッテリーは、ポータブルバッテリーやスマートフォン、IoTスマート家電、ドローンといった身近な製品に多く使われており、今後の需要はますます高まる見通しです。しかし、その一方で、廃棄されるリチウムイオンバッテリーも増加し、その不適切な廃棄が環境に与える影響が懸念されています。
リサイクルの重要性
リチウムイオンバッテリーには、レアメタルと呼ばれる希少な資源が含まれています。これらの金属はリサイクルすることで再利用可能ですが、バッテリーの取り扱いや処分方法については、特に注意が必要です。埋め立てや焼却によってリチウムイオンバッテリーを適切に処理しないと、発火や爆発の危険があります。5社は、リチウムイオンバッテリーが安全に、かつ効果的に回収・処分されるための具体的なプロセスを設計しています。
プロジェクトの具体的な内容
プロジェクトの具体的な内容としては、以下のような施策があります。まず、バッテリーの処理方法に関する情報を広めることで、一般の人々や企業にも理解を深めてもらいます。その後、回収されたバッテリーの適切な輸送および処理を行い、高純度のブラックマスを抽出・生成します。その後、これらのブラックマスからレアメタルを分離・抽出し、最終的にはその成分や組成の分析も行うことで、リサイクルの精度を高めていく予定です。これにより、サーキュラーエコノミーの実現を目指し、より持続可能な社会を構築する手助けをします。
各社の役割
- - KDDI: スマートフォンやドローンのバッテリーを回収
- - リーテック RES: バッテリーからの資源分析、高純度ブラックマスの抽出・生成を担当
- - EFT: 溶媒抽出技術を用いてレアメタルの分離抽出
- - マークテック: 材料の成分分析と検査
- - 商船三井: バッテリーやリサイクル材の輸送
展示内容と講演
このプロジェクトでは、2025年8月15日から8月17日まで、大阪・関西万博のTEAM EXPOパビリオンにて展示を行います。この展示では、輸送ケースのプロトタイプや、資源粒子分析装置、高純度リサイクル材、精錬プラントの模型が公開される予定です。また、8月15日には各社が取り組む内容についての講演も実施され、パネルディスカッションも行われます。多様な意見や提案が飛び交う中、リチウムイオンバッテリーリサイクルの未来を共に考える機会となることでしょう。
このように、TEAM EXPO 2025には、未来の社会を見据えた様々なプロジェクトが参加しています。リサイクルや持続可能性というテーマは、今後のビジネスや生活様式においてますます重要な要素となるでしょう。今後の取り組みにもぜひ注目してください。