RST算出プログラム受賞
2025-12-10 15:20:26

心不全の早期発見に貢献するRST算出プログラムが技術賞受賞

心不全の早期発見が期待される新技術



心不全は日本において死因の第2位を占めおり、患者数はおよそ120万人に上ると言われています。特に高齢化が進む中で、この数は今後ますます増加することが懸念されています。そうした中、心不全の早期発見を目指して開発されたのが、「RST®算出プログラム」です。本プログラムは、パラマウントベッド株式会社のグループ会社であるハートラボ株式会社が、大阪大学との共同研究により生み出したものです。そして、このプログラムが「2025年度 日本人工臓器学会技術賞」を受賞したことが発表されました。

この受賞は、心不全の悪化を早期に発見し、重症化を防ぐ技術としての高い評価を意味しています。特に、「RST(Respiratory Stability Time)」と呼ばれる独自の指標を用いることで、睡眠中の呼吸の安定性をはかり、患者の状態を正確に把握することが可能になります。この技術の背景には、大阪大学国際医工情報センターの麻野井英次院長の研究があり、彼は心不全患者の睡眠中に見られる呼吸様式の異常に注目しました。

RST算出プログラムの具体的な機能



このプログラムの特徴は以下の通りです:
  • - 非侵襲性:身体に負担をかけずに、マットレスや布団の下に敷いた体動センサーで測定します。
  • - 自動計算:患者が睡眠中に記録されたデータはクラウドに送信され、自動でRSTを計算します。
  • - 遠隔モニタリング:医療機関は患者のRSTを毎日チェックでき、心不全の兆候を早期に捉えることができます。

これにより、在宅で生活する心不全患者が症状を呈する前に、専用のモニタリングシステムによって悪化を予測し、早急な治療が可能になると言われています。このプログラムはすでに臨床研究での有効性が検証されています。特定臨床研究「ITMETHOD-HF-III」では、心不全の悪化による入院や死亡の減少を目指すための実施が進められています。

麻野井院長と池川社長のコメント



麻野井英次院長は、「RSTにより毎日呼吸の安定性を定量的に把握することで、心不全による息切れの増悪を1か月以上前から察知できる」とコメントし、RSTを用いた新しい治療法の確立を目指しています。一方、ハートラボ社の池川直社長は「RST®算出プログラムがあれば、症候出現より早期に心不全の悪化を検出可能」とし、臨床エビデンスの蓄積と保険適用の実現に向けて努力すると約束しています。

この新たな技術は、安心で質の高いヘルスケアの実現に寄与すると期待されており、今後も多くの患者へと広がることが予想されます。

日本人工臓器学会とは



日本人工臓器学会は、人工臓器や関連分野における研究の進展と普及を目的に活動している学団体です。技術賞は、これらの分野において優れた貢献を果たした技術の発明や開発に携わった個人や団体を表彰するものであり、RST算出プログラムの受賞はその重要性を示しています。

心臓の健康維持のために、新技術の今後の発展に大いに期待したいところです。


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会社情報

会社名
パラマウントベッドホールディングス株式会社
住所
東京都江東区東砂2-14-5
電話番号
03-3648-1111

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