福岡のF.MEDがNEDO支援事業に採択
福岡県福岡市に本社を置くF.MED株式会社が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の研究開発型スタートアップ支援事業に採用されたことが発表されました。この選定により、同社は手術支援ロボットの開発をさらに推進することが可能となります。
F.MED株式会社とは
F.MEDは、2021年3月に創業した企業であり、福岡県ロボット・システム産業振興会議及び日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと、九州大学先端医療オープンイノベーションセンターでマイクロサージャリー支援ロボットの開発を行っています。マイクロサージャリーとは、直径1mm程度の微細な血管を縫合する技術で、乳がんや頭頸部がんの再建手術に応用されます。特に、この手術は非常に高度な技術と慎重な操作を必要とするため、実施できる医師の数は限られています。
課題の解決を目指して
F.MEDは、高度な技術を持つ医師がマイクロサージャリーを実施できる患者を増やすことを目指しています。これを実現するために、医師の動作を縮小し、手の震えを除去して精密に実行することができるロボットの開発に注力しています。これにより、より多くの医師がマイクロサージャリーに取り組むことができ、治療を受けられる患者の数が増加することを期待しています。
技術的な特長
F.MEDの開発するロボットには、特許技術であるリニアモータ駆動のパラレルリンク機構が搭載されています。この技術は、高い精度、高い硬性、そして高速な動作を実現するためのもので、マニピュレータにより手術器具の操作を補助します。特に、手術中の術者はマニピュレータを操作し、ロボットが付け替える器具を用いて、縫合針の把持や操作を行うことができます。従来の技術の弱点であった動作範囲の狭さは、自動調整機能の付いた位置決めアームによって解消されています。
今後の展望
今回のNEDO支援事業の採択により、F.MEDは量産機の新型試作機を開発し、早期の事業化を目指すとともに、研究開発を加速していく意向を示しています。同社は、2021年度にも福岡市の研究開発型スタートアップ成長支援事業に採択されるなど、研究開発活動を促進する環境が整いつつあります。このプロジェクトの成功により、福岡が医療機器開発の中心地としての地位をさらに強固にすることが期待されています。
会社概要
- - 会社名:F.MED株式会社 (F.MED Co.,Ltd.)
- - 事業内容:医療機器の研究開発・製造及び関連コンサルティング
- - 設立日:2021年3月
- - 代表者:下村景太
- - 所在地:福岡県福岡市中央区大名2丁目6番11号 Fukuoka Growth Next
- - 公式ウェブサイト:F.MED
このように、F.MEDは次世代の医療を支える重要なプレイヤーとして、今後も注目を集めることでしょう。