プロアスリートの寿命を決める「夜の呼吸」
近日、トラタニ株式会社(石川県かほく市)は、睡眠中の呼吸に関する新たな研究プロジェクト「Night Oxygen Flow Project – Phase 2」を開始しました。本プロジェクトは、プロアスリートたちの寿命の長さに“夜の呼吸”がどれほど影響を与えるのかを明らかにするものであり、特に睡眠中の低呼吸がもたらす影響に焦点を当てています。
睡眠中の呼吸とパフォーマンス
このプロジェクトの第5弾では、私たちが普段気に留めることの少ない、睡眠中の体内環境の実態を深く掘り下げています。日中アスリートは恐ろしいほどの疲労を受け、それがいかに睡眠中に処理されるか、またそのプロセスに呼吸の浅さがどう影響するのかを生理学と自律神経の観点から検証。実際のデータに基づく分析から、アスリート寿命を高めるには見えない原因を排除しなくてはならないことが示唆されています。
短命なアスリートの現実
プロアスリートたちが日々のトレーニングに費やす努力は、周知の事実です。専属トレーナー、コーチ、栄養士、メディカルスタッフが一丸となった体制で、食事や睡眠を入念に管理しているにもかかわらず、選手寿命は意外にも短命です。この「埋まらない穴」、つまり睡眠中の呼吸が乱れることで、日中の疲労が回復しないことが、その大きな原因として挙げられています。
夜の生理反応が重要
睡眠中は成長ホルモン、メラトニン、修復ホルモンなど、重要な生理反応が活発になります。しかし、これらの反応は深い睡眠が欠かせません。つまり、夜の質が悪ければ、いくら日中にトレーニングを積んでも体の適応が進まないのです。
なぜ呼吸が乱れるのか?
アスリートは日中、高い強度のトレーニングにより様々なダメージを受けます。高心拍、高呼吸数、交感神経の過剰興奮が夜まで残り、深い呼吸を妨げてしまうのです。さらに、眠っている間に重力が変わることで、気道が狭くなる現象も見逃せません。日中は縦の重力が働いていますが、寝ると重力が横に変わることで気道が圧迫され、呼吸が浅くなるのは避けられないことです。
低呼吸が引き起こす影響
夜の呼吸が乱れると、酸素不足や自律神経の乱れが引き起こされ、深い眠りが減少します。その結果、重要な修復ホルモンも減り、日中のダメージに夜の回復が追い付かなくなるのです。これは、選手寿命が短い最大の理由とされています。
すべてのアスリートに共通する問題
重要なのは、今回の研究がハードな競技だけでなく、全てのアスリートに共通する問題であるという点です。たとえゴルフや野球のような呼吸が乱れにくい競技であっても、睡眠中の低呼吸が続けば、回復が削られ、選手寿命は静かに短くなっていくでしょう。つまり、アスリート寿命を決定する要因は「努力量」ではなく、睡眠中の呼吸の質なのです。
まとめ
アスリートは日中に努力を惜しみませんが、夜の呼吸を無視していてはその成果は台無しです。呼吸が乱れることで、身体の回復が阻害されることが多くの研究で確認されています。トラタニ株式会社では、呼吸と体の構造の関係性を探求し、さらに改善策についても提案を続けていく予定です。次回は、脳梗塞と関連する低酸素のテーマを扱いますので乞うご期待です。