医療介護制度改革
2025-09-12 16:01:34

医療・介護制度改革に向けたエビデンス重視の提言と活動

医療・介護制度改革に向けたエビデンス重視の提言



2023年、株式会社三菱総合研究所(MRI)は、医療と介護制度における改革が進む中、この改革において国民の理解と合意形成を促進するための重要なポイントとして、エビデンスに基づく施策の優先順位の必要性と具体的なアプローチを示しました。これにより、持続可能な社会保障制度の構築に貢献することを目指しています。

1. 背景



近年、社会保障給付費の膨張が深刻化し、特に医療と介護の給付費は、将来的に現役世代に大きな負担を強いる懸念があります。三菱総合研究所の推計によれば、2040年には2020年の1.5倍にも達すると予測されています。この上昇する医療・介護給付費は、経済の好循環を妨げる可能性があり、現役世代の可処分所得を圧迫しています。そのため、持続可能な制度を確保するために早急な対策が求められています。

2. 提言の概要



MRIは、国民の理解を促進し、合意形成を成功させるためには、エビデンスに基づく「施策の優先順位づけ」が鍵であると考えています。具体的には、「負担構造の見直し」と「給付の適正化」に焦点を当て、国民のニーズを調査・分析します。

負担構造の見直し



国民の意見調査によれば、「高額療養費の自己負担引き上げ」よりも「保険料や窓口負担の引き上げ」を望む人々が多いことが分かりました。つまり、重篤な疾病に関連する人々の負担を抑えつつ、保険料や窓口負担を広く分かち合う仕組みが望まれているということです。特に、「金融資産を考慮した自己負担の引き上げ」には幅広い世代からの理解が見られ、これを通じて負担能力に応じた支え合いを強化する必要があります。

給付の適正化



医療・介護制度の持続性を確保するためには、負担構造の見直しとともに医療給付費の伸びをコントロールする施策も重要です。効果的かつ費用を抑制できる施策を拡大するための財源としては、低価値医療サービスの削減が挙げられます。質の高い医療を提供する医療機関にインセンティブを与えることも、地域医療体制の持続性と給付の適正化を同時に進める方策として有効です。

3. DXがもたらす政策評価の進展



医療介護制度の改革を進めるためには、デジタル技術を活用してエビデンスに基づく分析が必要です。現在、国家が進めるNDB(匿名医療保険等関連情報データベース)の整備を通じて、優先すべき施策を見極めるためのエビデンスを生成しています。例えば、高齢者の大腿骨骨折の事例を通じて、適切な術後の治療が医療費の適正化に寄与する可能性を示しています。

4. 政策決定過程の透明性向上



国民が感じる「受益と負担が結びつかない」という問題を解消するためには、政策決定過程の透明性を高める必要があります。これにより国民の信頼を築き、合意形成を容易にします。2040年に向けての時間が限られている中で、エビデンスに基づく政策立案の実践が急務です。

今後の展望



中長期的には、医療・介護制度に関するエビデンスをさらに充実させる取り組みが求められます。三菱総合研究所は、科学的エビデンスに基づく政策立案を通じ、持続可能な社会保障制度の確立に向けて引き続き貢献していく所存です。詳細な内容については、別途レポートを参照してください。


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会社情報

会社名
株式会社三菱総合研究所
住所
東京都千代田区永田町2-10-3
電話番号
03-5157-2111

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