カタリバが地域エコシステム構築プロジェクトを始動
背景と目的
認定特定非営利活動法人カタリバは、日本全国で10代を支える「居場所」の設立を目指し、様々な団体や個人と連携して活動しています。特に重要なこの居場所の存在は、学校や家庭以外の場で子どもたちが安心して過ごせる環境を提供するものであり、そのニーズが高まる一方で地方には依然として担い手不足の課題が残っています。この状況を打破するため、カタリバは「地域エコシステム構築プロジェクト」を開始しました。
ユースセンター起業塾との連携
2021年に設立された「ユースセンター起業塾」は、10代の居場所を運営または設立したい団体をサポートするための事業です。これまでに30団体以上の立ち上げを支援してきました。その影響力を強化するため、カタリバはサントリーホールディングスとの提携を通じて、居場所支援の新たな枠組みを設計します。
地域エコシステム構築プロジェクトの具体的な内容
このプロジェクトでは、地域全体が協力して10代を支え合う仕組みを導入することを目指しています。サントリーの寄付を活用し、地域での居場所運営に取り組む2つの団体への助成が発表されました。これらの団体は地域住民や行政と連携し、子どもたちが直面する多様な問題に対応するための基盤を築いていく予定です。
助成対象団体の紹介
NPO法人f.saloon(岡山県備前市)
この団体は10代の居場所「INBase」を運営し、地域の高校生たちにプロジェクトを通じた交流の場を提供しています。多様なニーズに応じたプログラムを展開し、地域に根ざした居場所の価値を高めています。
NPO法人こおりやま子ども若者ネットワーク(福島県郡山市)
この組織は、複数の分野で活動している団体や個人を結集し、子どもたちと若者の権利を保障する地域づくりに取り組んでいます。校内居場所カフェなどの新たな取り組みも行い、社会的な包摂を目指しています。
プロジェクトの意義
この新プロジェクトの意義は、単なる居場所の提供に留まらず、地域全体で子どもたちが持つ多様なニーズに応えるための環境を整えることです。10代の生活の質を向上させ、彼らが抱える課題を軽減するために、地域のさまざまな部分と協力していくことで、持続可能な支援のネットワークを構築することが目指されています。
プロジェクトの行動計画
・助成期間:2025年5月~2027年3月(2年間)
・助成金額:1団体あたり最大1,000万円(2年間の合計)
・伴走支援内容:専門家による研修、資金調達支援、ネットワーキング等を実施し、採択団体の成長を後押しします。
結論
カタリバの「地域エコシステム構築プロジェクト」は、子どもたちの未来をより良くするための大きな一歩です。地域全体が子どもたちを支え合う仕組みを育むことで、10代の居場所が強化され、彼らが直面する問題への解決策を共に模索していくことが期待されます。我々は、これからの活動に注目し、応援していきたいと思います。