障がい者と学生の共同制作による「シブヤフォント」最新情報
1. シブヤフォントとは?
「シブヤフォント」とは、渋谷区に住む障がいのある方が描いた文字や絵を基に、専門学校桑沢デザイン研究所の学生たちが協力して作り上げたフォントやパターンデータです。2022年3月時点で、448種類以上のデータが公式サイトで公開されており、誰でも自由に利用可能です。売上の一部は地域の障がい者支援施設に還元されており、「共に制作する」ことを基本理念に掲げています。これにより、渋谷区のダイバーシティ&インクルージョンの理念が広がっています。
この取り組みには、複数の障がい者支援事業所が連携しており、参加者の独自の表現がフォントとして具現化されています。具体的には、くるるえびす、ストライドクラブ、テントーンなどの事業所が活動に関わり、一緒にフォント作りを行っています。
2. 新たなデータのリリース
毎年、障がい者支援事業所と桑沢デザイン研究所の学生が連携し、新たなフォントやパターンデータを制作します。2021年度には11の事業所と11人の学生が参加し、それぞれの事業所から障がいのある方々の原画を元に魅力的なデータが生まれました。このプレゼンテーションは内閣府が定める障害者週間(12月3日~9日)に行われ、多くの企業と連携を図っています。
特筆すべきは、参加者のストーリーがデザインに込められている点です。アートを通じて参加者同士のコミュニケーションが生まれ、多様な表現が実現されます。また、日々の活動を通じて共に創ることで、尊重し合う関係性が築かれ、唯一無二の作品が生成されています。
3. 新サービスの展開
「シブヤフォント」チームは、国内外で複数の賞を受賞しており、その実績はソーシャルデザインの力の証明です。新たに提供されるサービスラインナップでは、企業が求めるニーズに応じたデザインやアセットの提供を行います。具体的には、以下の三つのサービスがあります。
- - コンサルティング: 商品企画やダイバーシティ&インクルージョン研修などに関するプログラムを提供します。
- - スポンサード: 400種類以上のフォントデータを一定期間無制限で使用できます。スポンサーロゴも掲示されるので、企業のブランド力を高めることが可能です。
- - データ利用: 商品やメディアでフォントを使用することでSDGsに貢献することができる仕組みです。
これらのサービスは、すべて障がい者支援事業所への還元を図っており、企業の社会的責任(CSR)を重視した取り組みとなっています。
4. 今後の展望と期待
シブヤフォントプロジェクトは今年度で7年目を迎えます。これまでの活動を通じて、渋谷区のビジョン「違いを力に変える街」の具体化に向けて着実に成果を上げてきました。今後はより多くの方々に「シブヤフォント」を知ってもらい、多様な表現を地域で広めていくことが目指されています。
また、2023年も障がい者支援事業所の設立が進む中で、一般社団法人シブヤフォントとして活動を加速させていきます。このプロジェクトを通して、多くの良い出会いや体験が生まれることを期待しています。私たちの生活の中で、アートと共に生きる社会が実現されていくことを願っています。
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興味を持たれた方は、ぜひ公式サイトをご覧ください。渋谷区が展開する「シブヤフォント」の魅力を、あなた自身で感じてみてください。