新衛星「いぶきGW」
2025-09-05 19:23:10

温室効果ガスを観測する新しい衛星「いぶきGW」とその初データ取得

温室効果ガスを観測する衛星「いぶきGW」



三菱電機は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から依頼を受けて、2025年に打ち上げられた温室効果ガス・水循環観測衛星「いぶきGW」(GOSAT-GW)の初観測データの取得を報告しました。この衛星には、温室効果ガスを測定するセンサ「TANSO-3」と水循環を観測する「AMSR3」が搭載されており、今後そのデータが地球温暖化対策や気象予測、漁業などに幅広く活用されることが期待されています。

いぶきGWの役割と特長



いぶきGWは、温室効果ガスの観測を行うTANSO-3と水循環の状態を把握するAMSR3の二つのセンサを兼ね備えたハイブリッド衛星です。開発は2019年度に始まり、すべての設計と製造が神奈川県鎌倉市の工場で行われました。初観測は、TANSO-3が7月中旬、AMSR3が8月中旬に開始され、どちらのセンサも正常に機能していることが確認されました。

TANSO-3の革新



TANSO-3は、既存の衛星「いぶき」や「いぶき2号」のセンサの後継機として、新しい分光方式を採用しました。この方式により、広範囲で高精度の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン)濃度を把握できるようになりました。また、今回初めて二酸化窒素の観測も可能になり、人間活動による温室効果ガスの排出源の特定がより容易になりました。これにより、温室効果ガスの排出量を国単位から都市部の施設まで、幅広く観測できる能力が増しています。

AMSR3の進化



AMSR3は、現在も運用中の衛星「しずく」に搭載されているセンサの進化版で、海面水温や土壌水分量、海氷密度、さらには水蒸気量などを観測するための機能が強化されています。新たに追加された観測チャネルにより、従来観測が困難だった極地域の降雪量や海氷の状況を高精度で把握することができるようになります。特に北極海での観測精度向上は、航路の計画にも貢献するでしょう。

今後の展開



三菱電機は、TANSO-3とAMSR3から得られる観測データのサービスを、環境省やJAXAと協力してさらに発展させる予定です。また、株式会社三菱UFJ銀行や衛星データサービス企画株式会社、カナダのGHGSat Inc.とのパートナーシップ契約により、温室効果ガスの排出量を可視化し、持続可能な社会の実現を目指す取り組みも進行中です。

まとめ



「いぶきGW」により、温室効果ガスや水循環の観測が新たな段階に進化しました。三菱電機は、宇宙開発の技術を活かしつつ、社会課題の解決に寄与し、持続可能な未来を築くための努力を続けていくでしょう。

いぶきGWの詳細


  • - 寸法: 5.1m × 23.0m × 5.0m
  • - 質量: 約2.6t
  • - 発生電力: 約5,300W
  • - 軌道: 太陽同期準回帰軌道、高度666キロメートル
  • - 設計寿命: 7年以上

今後の展開に期待が寄せられる「いぶきGW」の観測データが、どのように地球環境保護に貢献するのか、注視していきたいです。


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会社情報

会社名
三菱電機株式会社
住所
東京都千代田区丸の内2-7-3東京ビル
電話番号
03-3218-2111

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