保育士配置基準の実態
2025-03-10 13:08:28
76年ぶりに改訂された保育士配置基準の実態調査結果について
76年ぶりに改定された保育士配置基準の実態
2024年4月に実施された保育士の配置基準の見直しから約1年が経過しました。これにより、保育士が受け持つことができる園児の数が変わりました。特に、3歳児の人数が20人から15人に、4歳児および5歳児は30人から25人に減少しました。この改定の意義とは何だったのでしょうか。そして、実際の現場にはどのような影響があったのかを調査した結果が報告されました。
株式会社コドモンは、全国の保育士200人を対象に保育士配置基準の実態調査を実施しました。この結果、全体の8割以上が新しい基準に対応していることがわかりましたが、実際には半数以上の保育士が「不十分」と感じていることも明らかになりました。
新配置基準への対応状況
調査結果によると、76年ぶりの見直しが行われた保育士の配置基準に対応している割合は67.5%に達し、実に8割以上が新基準を満たしています。しかし、17.9%は依然として新基準に達していないという現実もあります。
配置基準変更の効果
改定後の変更によって、約半数が「子ども一人ひとりに向き合う時間が増えた」と実感していますが、一方で「特に変化を感じない」という声も31.8%に達しています。この結果は、改定が一部の施設では効果をもたらした一方で、全体としてはうまく機能していないことを示しているといえます。
課題は人手不足
新しい配置基準に対する対応が遅れている理由の中で最も多かったのは「保育士の人手不足」で、77.8%がこの理由を挙げています。その他にも「財政的な余裕がない」が30.6%、また「退職者が多い」といった理由もあり、現在の保育現場の厳しい状況が反映されています。
対応策の多様化
新たな配置基準に対応するための策としては、3割が正社員を雇用し、また3割近くが短時間勤務者を新たに採用した結果も見られます。また、保育士資格を持たない人材を採用している施設も存在し、苦肉の策として人手不足を補っています。
現実との乖離
新たな配置基準に対する評価では「どちらかといえば不十分」と「不十分」と答えた人が54.5%に及び、現場の実状と公的基準との間には大きな乖離があります。特に現場の保育士が理想とする人数は、改定された基準よりも平均10人も少ない結果が出ています。
業務への負担
また、保育士たちが最も負担に感じている業務は「保育計画などの事務作業」で36.5%がこれを挙げています。日常業務での過重な負担は、休憩を取る際にも子どもと離れてしまうことが多く、心の余裕を持つことが難しい現状が垣間見えます。
今後、この調査結果を受けて、現場改善に向けた取り組みが進むことが期待されます。保育士たちが働きやすい環境を実現するためには、より多くの理解と支援が求められることでしょう。
コドモンの取り組み
株式会社コドモンは、保育業界向けにICT関連のサービスを提供しており、業務の効率化や職員の負担軽減を目指しています。このような取り組みが、現場の改善につながることを期待したいです。
会社情報
- 会社名
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株式会社コドモン
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