メキシコ市場に挑む日本酒、Encounter Japanの新たな一歩
近年、世界中で日本食の人気が高まる中、日本酒に対する需要も急速に拡大しています。この流れに乗り、株式会社Encounter Japanは輸出酒類卸売業免許を取得し、メキシコ市場への本格的な進出を図っています。企業の成り立ちとその背景、そして今後の展望についてご紹介いたします。
日本酒の新たな挑戦
株式会社Encounter Japanは、兵庫県神戸市を本拠地に、日本とメキシコをつなぐ架け橋としての役割を果たしてきました。2016年に初めてメキシコに現地拠点を設けて以来、数々のビジネスを展開する中で、メキシコ合衆国の食文化に日本酒を提供する機会を模索してきました。その中でも、メキシコ最大の航空会社「アエロメヒコ航空」向けの日本酒を扱うことは、大きな一歩となりました。
輸出酒類卸売業免許の取得
2024年6月、Encounter Japanは兵庫県神戸税務署より輸出酒類卸売業免許を取得しました。この取得を契機に、日本酒を中心とした日本産酒類の輸出入業務をスタートさせる予定です。直接酒蔵から日本酒を仕入れることができるようになったことで、流通の効率性や価格競争力の向上が期待されています。
地元の和食店との連携
Encounter Japanはメキシコにおいて3軒の和食店を経営し、日本の味を提供しています。和食店「GOEN FUJITAYA」でオペレーション・マネージャーを務めるミラン・アレクボスキ氏は、日本酒ソムリエの資格を保持しており、メキシコ市場向けに最適な日本酒の選定を行っています。また、メキシコ人顧客のニーズに合った料理を提供することで、さらなる顧客の獲得を目指しています。
ワークショップやペアリングイベントも開催されており、メキシコ市場における日本酒の認知度向上に貢献しています。地元の大学生を対象としたワークショップでは、日本酒に関する理解を深める取り組みも行っています。
増大する日本酒の需要
圧倒的な魅力を持つ日本酒は、メキシコにおいても急成長しています。日本国内での需要は減少傾向にあるものの、国外での日本の飲食文化や食品への関心が高まっています。今後、Encounter Japanは盛川酒造や榎酒造の日本酒に加え、茨城県の酒蔵との新たな取引を進める計画です。
中南米との関係強化
Encounter Japanは2023年、コロンビアに現地法人を設立し、2024年にはボゴタに和食店「七 ~NANA~」をオープンさせました。コロンビア国内の日本食需要の高まりを背景に、さらなる進出が期待されています。味覚や文化を共有する場として、日本酒や和食の魅力を発信し続ける意義は大いにあるでしょう。
未来へのビジョン
代表取締役の西側赳史氏は、メキシコの豊かな食文化を背景に、日本酒の普及と、ラテンアメリカ市場への新たなチャレンジが大きなビジネスチャンスであるとコメントしています。日本料理とのペアリングや、日本酒の理解を深めるイベントを通じて、メキシコ市場におけるプレゼンスを強化し、日本とメキシコをつなぐ架け橋となることを目指しています。これからの展開が非常に楽しみです。