企業と個人の成長を支える体験資産経営の研究開始について
一般社団法人プロティアン・キャリア協会とあまねキャリア株式会社が共同で、体験資産経営の研究開発を始めることを発表しました。この取り組みは、組織と個人との良好な関係構築を目指すもので、個々の多様な経験を企業の成長につなげることを目的としています。
体験資産経営とは何か?
体験資産経営は、個人の多様な体験を組織の資産として尊重し、育成する経営の手法です。この概念は、あまねキャリアが提唱し、プロティアン・キャリア協会と共に仕組み作りを進めています。ここで重要視されるのは、個々のキャリア自律や組織の課題解決、さらに新たな価値の創造を実現することです。つまり、社員の多様な経験を単なる背景としてではなく、企業全体の資源として活用する考え方です。
共同研究の背景と目的
あまねキャリアは、全国400以上の企業と自治体にわたる組織開発の知識を蓄積しています。これに対し、プロティアン・キャリア協会は、キャリア開発の専門知識と人的ネットワークを提供します。この両者の連携により、体験資産を企業経営に実装する社会的なフレームワークを構築することが可能になります。これにより企業は、従業員のキャリア開発を促進し、組織全体のイノベーション力を高めることを目指しています。
体験の重要性
最近のリスキリング(再学習)の潮流に対し、あまねキャリアのCEOでありプロティアン・キャリア協会のアンバサダーである沢渡あまね氏は、体験に対する意識の向上を強調しています。能力開発が重視される中、体験や知見が軽視されることに危機感を持っていると彼は言います。この共同研究では、体験と創造性、課題解決、イノベーションの関係性を明らかにし、体験資産経営を広める重要性を訴えています。
体験資産経営の構築に向けて
プロティアン・キャリア協会の代表理事であり、法政大学のキャリアデザイン学部教授でもある田中研之輔氏は、研究の重要性を強調しています。自身が築いてきたキャリア自律の促進と組織の成長を両立させる重要な概念として、体験資産経営を位置付けています。この共同研究を通じて、体験資産経営の具体化を図り、多くの企業での導入を目指す意向を示しています。彼はこの取り組みを進めることで、新しい人材育成の標準を確立することを期待しています。
まとめ
この度の研究は、企業が個々の多様な体験をどう活用するかを問う重要なステップです。体験資産経営を通じて、企業と個人が共に成長できる社会を実現することを目指して、今後の動向に注目が集まります。参加企業や団体は、この新たなアプローチに期待をかけています。今後の行動と成果に期待し、研究の進展を見守りたいと思います。