鴻池運輸、物流業界で初のAIプラットフォーム「Glean」を採用
大阪を拠点とする鴻池運輸株式会社が、日系物流企業として初めて「Glean」という企業向け生成AIプラットフォームを導入した。この取り組みはKONOIKEグループの「生成AI活用プロジェクト」の一環として進められており、全社的なAI基盤の構築と人材育成を目指している。
生成AI活用プロジェクトの背景
現在、少子高齢化や人材不足が顕著になっている中で、企業は生産性の向上と従業員のウェルビーイングを並行して実現する必要に迫られている。鴻池運輸はこの課題に対処するため、2023年から生成AIの活用を推進し、2024年12月には全社的なAI基盤を整えるためのプロジェクトを始めた。
このプロジェクトを進める中で、さまざまな部署や個人が異なるAIツールを使用する「シャドーAI」が問題視されており、セキュリティや管理の観点からも全社共通のAI基盤への移行が急務となっていた。さらに、データが複数のSaaSプラットフォームに分散していることで、情報検索や会議準備に時間を取られ、迅速な意思決定に支障をきたしていた。
Glean導入の決定
鴻池運輸ではまず独自のAI基盤をクラウド上に構築したが、応答速度や回答の正確性、長期的なコストの問題から、外部のAIプラットフォームの導入を検討。最終的に「Glean」は、他のアプリケーションとの連携、主要SaaSとの統合検索機能、ユーザビリティの高さ、セキュリティ面での強みなどから全社の標準AI基盤として選ばれた。
Gleanの導入状況と成果
Gleanの本格導入に先立ち、鴻池運輸は2025年11月からICT推進部門の従業員約100名を対象に試用を開始した。現在は約1,200ライセンスが運用されており、BoxやMicrosoft Outlook、ServiceNowなどの主要SaaSを通じて情報検索やレポート作成、チャット応答を行っている。さらに、自然言語によるAIエージェントの開発にも活用されている。
AI研修やAIアンバサダー制度も導入し、現場のニーズに基づいたユースケースの発掘を促進している。これにより、研修参加者の数は600名に達し、FAQチャットボットや定型資料の自動化などのユースケースも次々に生まれている。
今後の展開
今後、鴻池運輸のICT推進本部は「AI is Everywhere」をスローガンに掲げ、Gleanを中核にしたAI基盤の実現に向けて、2026年度中に以下の目標を掲げている。
- - Gleanの月間利用ユーザー数を約600名に拡大
- - AIプラクティショナーを約600名育成
- - 各部門のAI推進役を100名育成
- - 実用的なAIエージェントを75本運用
これらの活動を通じて、業務プロセスにおけるAIの活用を段階的に進め、労働力不足の解消や生産性の向上を目指していく。
鴻池運輸のビジョン
KONOIKEグループは2030年に向けて「技術で、人が、高みを目指す」というビジョンを掲げている。最新技術と現場に根ざした技術を融合させて、企業競争力を強化し、従業員の生産性とウェルビーイングを向上させる取り組みを進めている。加えて、鴻池運輸のICT推進本部の長である佐藤雅哉氏は、「Glean」は企業のAI戦略を実現させるための中心的な要素であると述べている。
エンドユーザーの期待
Glean社の営業担当副社長、Brad Scott氏は、「鴻池運輸との提携は我々にとって重要なマイルストーン」とし、日本市場の成長を見込むための施策を進めていると語った。
まとめ
このプロジェクトを通じて、鴻池運輸は業務効率の向上だけでなく、企業文化と社員の成長に寄与することで、未来の物流業界を支える力になります。「Glean」を通じて、よりスマートに働ける環境を実現し、新たなビジネスモデルを構築していくことに期待が寄せられる。