スコラ・コンサルトが提唱するコミュニケーションチェックリスト
1986年に設立された株式会社スコラ・コンサルトは、これまでに2,000社以上の企業や公的機関の組織風土改革を支援してきました。その中で、部下のモチベーションを低下させる上司のコミュニケーションパターンについて多くの洞察を得てきた同社は、部下との効果的なコミュニケーションを実現するためのチェックリストを発表しました。
このリストは、上司が部下との対話において起こりがちな失敗のパターンを11項目にまとめたものです。上司はこのリストを参照することで、自らのコミュニケーションスタイルを見直し、部下との関係性を強化する手助けとなります。特に新入社員や若手社員に対しては、フラットな対話が求められます。
上司のコミュニケーション失敗パターン
以下の項目は、上司が部下とのコミュニケーションにおいて気を付けるべき点を示しています:
1.
「俺は聞いていない」
- この発言は、部下を責める隠れた意図を持っており、報告する内容の基準を曖昧にしている場合が多いです。
2.
古い価値観の押し付け
- 「価値観を押し付けてはいけない」と言いながらも、自身の価値観に基づいた指導が行われがちです。
3.
「厳しさが当たり前」
- 過去の厳しい経験を持ち出し、若手に対しても同様の接し方が許容されるかのような態度が問題です。
4.
気持ちを無視する態度
- 部下の気持ちに無関心なコミュニケーションは、相手の信頼を損ないます。
5.
「君次第」
- 自己責任を強調しすぎると、部下は一人で苦しむことになりかねません。
6.
感謝や褒め言葉を言わない
- 「言わずとも伝わる」という考えは、言葉にしない限り伝わらないことを理解する必要があります。
7.
「自分で考えさせる」
- オープンな質問が必ずしも効果的とは限りません。状況を理解していない部下にとって負担となります。
8.
自己責任の強調
- 若手の責任感を促すつもりでも、上司の責任放棄と感じられる場合があります。
9.
給料の問題を指摘する
- 退職理由を単純化することで、本音を聞き出せない可能性があります。
10.
「報連相をしっかりしろ」
- 自身のコミュニケーションスタイルと部下とのギャップを意識する必要があります。
11.
「いつでも相談に来い」
- 新入社員にとって、相談のハードルが高いまま放置されてしまいます。
チェックの重要性
このチェックリストは、上司が自己評価を行うためのツールとして機能します。各チェック項目について評価し、自らのコミュニケーションスタイルを見直すことで、部下が安心して意見を述べやすい環境を作る手助けとなります。
評価基準は以下の通りです:
- - ☑が1個以下 … 良好なコミュニケーションができている可能性が高い
- - ☑が2~3個 … 部下に不安感を与えている可能性がある
- - ☑が4~5個 … 部下との関係に溝が生じている可能性が大きい
- - ☑が6個以上 … 変革が必要な状態。
若山修の見解
このチェックリストは、プロセスデザイナーの若山修が監修しました。彼は、多くの上司が誤解を持ちながらも部下とのコミュニケーションに取り組んでいることを指摘しています。「一生懸命さ」が逆に部下との距離を広げてしまう場合があるため、意識的に部下の気持ちに寄り添う姿勢が重要です。
最終的には、オフサイトミーティング®を活用し、フラットな対話を促進していくことで、職場環境を改善することが期待されます。