OBCとPayPay、給与デジタル払いの基本合意を発表
株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)とPayPay株式会社が、今後の賃金支払システムにおける「給与デジタル払い」の機能連携に関して基本合意を締結しました。この合意は、労働基準法施行規則の一部改正を受け、デジタル決済の普及を促進する狙いがあります。
給与デジタル払いの背景
2023年4月から、新たな給与支払方法として給与デジタル払いが追加されました。これは、資金移動口座への資金移動による給与支払いを可能にするものです。OBCは、キャッシュレス決済や送金サービスの普及に伴い、取引先企業においてこの給与デジタル払いを希望する従業員が増えると考え、適切な仕組みの開発に取り組んできました。
一方、PayPayも2024年内にはすべてのユーザーに向けて「PayPay給与受取」のサービスを展開する計画を持っています。このような背景から、両社は安心して給与デジタル払いが利用できる環境づくりについて合意に至りました。
企業における業務効率化
合意の内容には、OBCの『奉行クラウド』とPayPayが連携することにより、従業員の給与受取口座の設定や振込先情報のやり取りをシームレスに行えるようになり、業務負荷が軽減されるという点が含まれています。2025年春にはこの機能が提供される見込みです。
特に、従業員が給与をPayPayアカウントで受け取る際の流れが明確化されることで、雇用主の業務負担も減少します。従業員は、雇用主からの説明を受けた後、PayPayアプリで「PayPay給与受取」の申し込みを行います。
従業員への利便性向上
この取り組みによって、従業員は給与をPayPay残高として受け取ることが可能になり、従来の銀行振込だけでなく、柔軟な受取方法が選べるようになります。PayPayマネーとして受け取った給与は、様々なサービスで利用でき、使い勝手が大幅に向上します。両社は、今後も協力し合い、キャッシュレス決済の普及促進に努めることを表明しています。
代表者のコメント
OBCの和田社長は、この合意を通じて企業における業務負担の軽減と、従業員の満足度向上に貢献する考えを示しました。また、PayPayの中山社長も、包括的な金融サービスの一環として給与デジタル払いを強化する意義を強調しています。
今後の展開
この基本合意は、賃金のデジタル払いが進む中で、企業や従業員にとってメリットが期待されています。最新の給与デジタル払いサービスの導入により、効率的で便利な給与管理が可能になるでしょう。今後、OBCとPayPayがどのようにこの仕組みを整えていくのか、さらなる情報に注目が集まります。