世界文化遺産の舞台で贈る能楽「糺能」
2024年5月25日(土)、世界文化遺産である賀茂御祖神社(下鴨神社)内の「糺の森」にて、第9回糺能(ただすのう)が開催されます。このイベントは、歴史深い神社の舞台を用い、伝統文化である能楽や狂言を通じて、人々に感動を与える機会となっています。
糺能の背景
「糺能」とは、約550年前、寛正五年(1464)に行われた「糺河原勧進猿楽」が元となっています。大名や将軍足利義政の前で披露されたこの猿楽は、賀茂御祖神社第34回式年遷宮の際に550年ぶりに再興され、その後、毎年行われるようになりました。
会場となる賀茂御祖神社は、2100年以上の歴史を有し、令和18年(2036)には第60回目の遷宮を迎えることになります。この特別な時期に、千年の歴史を振り返り、自然と文化のつながりを再認識することが目的です。
上演作品と日程
当日の上演作品は、能『葵上(あおいのうえ)梓之出(あずさので)空之祈(くうのいのり)』と狂言『延命袋(えんめいぶくろ)』です。開場は17:30、開演は18:30で、約1時間半にわたって上演される予定です。
演目詳細
- - 狂言『延命袋』:夫が口うるさい女房の不満から、離縁状を持たせるというコメディ。女房が怒って戻る様子が描かれます。
- - 能『葵上 梓之出 空之祈』:光源氏の正妻・葵上が物の怪に苦しむ物語で、登場人物の心理描写が魅力です。
この2作品はそれぞれ独自の演出が施され、特別な体験を提供します。
チケット情報
チケットは指定席と自由席が用意されています。指定席には御生席(神服殿での観劇)が30,000円、葵席20,000円、桂席10,000円とあり、全席指定。自由席は事前購入で5,000円、当日は6,000円となっています。前売券が完売した場合、当日券の販売は行われないとのことなので、早めの購入をおすすめします。
観劇に関する情報
観劇に際しては、下鴨神社社務所での現金引き換え、またはオンラインチケットが利用できます。観劇日は雨天でも決行されるため、天候に応じた準備が必要です。
まとめ
「糺能」はただの演芸イベントではなく、豊かな文化と深い歴史が交差する場所です。賀茂御祖神社の由緒ある舞台で、伝統的な能楽を楽しむ貴重な機会です。この特別なイベントを通じて、日本の伝統文化の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。