オルビスの挑戦:万博に設置されるスキンケア容器リサイクルベンチ
オルビス株式会社が、2025年に開催される大阪・関西万博で、スキンケア容器から作られたリサイクルベンチを設置します。この取り組みは、省資源と資源循環を目的としたもので、持続可能な社会を目指す試みとして注目されています。
リサイクルに取り組むオルビスの背景
東京都品川区に本社を置くオルビスは、ポーラ・オルビスグループの一員として、化粧品業界においても早くからサステナビリティに積極的に取り組んでいます。しかし、この度の万博でのベンチ設置は特に意味のある挑戦です。
このベンチは、オルビスのスキンケアシリーズ『オルビスユー』や『アクアフォース』のローションボトルからリサイクルしたプラスチックを原料としています。これにより、来場者はベンチを触れることで、再生プラスチックの利用可能性について深く考えることができるでしょう。
デザインと技術の融合
ベンチのデザインは、東京都渋谷区のデザインコンサルティング会社VOID株式会社の協力を得て行われました。この会社は、スピーディなプロトタイプ制作を得意としており、視覚的および触覚的な要素を融合させることで、使いたくなるようなデザインに仕上げています。
さらに、ベンチの木製台座には、公益財団法人オイスカから提供された「甲州市・オルビスの森」の間伐材が使用されています。この取り組みは、オルビスが2002年から協力している環境保全活動の一環です。持続可能な木材を使うことで、さらなる環境への配慮が図られています。
万博での体験
設置場所は大阪・関西万博会場内のトイレ施設「島の蜃気楼」周辺の屋外です。来場者は、ここに設置された2台のベンチに自由に座ることができ、デザインだけでなく、触覚でも楽しむことができます。この体験が、再生可能な素材への理解を深めるきっかけになることをオルビスは期待しています。
サステナブルな未来に向けた取り組み
オルビスは、1987年の創業以来、ビューティーを基軸にした事業活動を通じて、社会環境課題の解決に取り組んできました。例えば、簡易包装や詰め替え商品の導入、使用済み容器の回収とリサイクルなど、多岐にわたる活動を展開しています。また、2023年からは体験特化型施設『SKINCARE LOUNGE BY ORBIS』においても、使用済み容器の回収を開始しています。
2024年からは、使用済み容器や製造過程で発生するプラスチックの端材を「スパチュラ(ヘラ)」として再生し、顧客に還元する取り組みも進めています。また、環境保全活動である「甲州市・オルビスの森」の里山整備活動についても20年以上続いており、地域の自然保護に貢献しています。
結びに
オルビスの取り組みは、個々の企業がどのようにサステナブルな未来に向けて努力できるかの一例と言えるでしょう。大阪・関西万博でのベンチ設置は、持続可能な取り組みの重要性を広める一助となることを願っています。この機会に、リサイクルや持続可能性に関心を持つきっかけとなるでしょう。今後の動向にもぜひご注目ください。