地域復興を見直す日本人必読の書『日本人は国土でできている』

『日本人は国土でできている』の衝撃

最近、産経新聞出版から新たに発売された『日本人は国土でできている』が注目を集めています。この本は、元国土交通省の技官である大石久和氏と、元内閣官房参与の藤井聡氏による共著で、日本における地域問題を大胆に斬る内容となっています。著者たちは、特に有名なフレーズである「復興より移住を」といった考え方が、いかに日本の地方を軽視し、貧困化を加速させるものであるかを風刺しています。

著者の大石氏は、1945年に兵庫県で生まれ、1970年に京都大学大学院工学研究科を修了。建設省を経て国土交通省の技官として多くの経験を持ち、現在も多様な研究機関の代表を務めています。一方、藤井氏は1968年生まれで、大学教授として公共政策や都市社会工学の分野で広範囲にわたる知識を持っています。その双方の専門性が融合したこの本は、今の日本に必要な警鐘を鳴らす内容になっています。

復興と移住

「復興より移住」という考え方は近年の日本で耳にすることが増えてきました。しかし、本書ではその状況が根本からの問題であると著者は指摘します。彼らは、インフラを安全保障と捉え、地方の不便さを解消しなければならないと説きます。日本の地方が貧困化し、無気力に陥るのは、単なる個人の問題ではなく、国全体の視点で考えなければ解決できないのです。

著者たちは、日本の地域における復興の真髄を見直し、インフラを充実させることで経済が強くなると主張しています。実際、インフラが地域の発展には不可欠であり、経済成長の原動力となることが多いのです。この視点から、彼らは単なる移住を推奨するのではなく、地域に根を下ろして成長を促す案を提示しています。

地方の復権を

本書の背景には、急速な都市化や地方に対する無関心があると著者は考えています。過去の歴史を振り返ると、地方が強く、創造性に富んでいた時代があったことを思い出します。大石氏と藤井氏は、その記憶を呼び起こし、再び地方の価値を見出すことが必要だと強調しています。

この本は、復興に向けた具体的な提案や日本が本来持つ力を引き出すための夢を私たちに与えてくれるでしょう。特に、これからの日本に希望を持ちたい人々にとって、手に取るべき一冊となるはずです。