メタバース革新!クラスターが「LUIDA」を公開
国内最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスター株式会社は、新たに開発した大規模実験フレームワーク「LUIDA」を発表しました。このフレームワークは、東京大学と筑波大学との共同研究により実現され、誰でも利用できるオープンなプラットフォームとして公開されました。
メタバース上での実験の新たな形
LUIDAは、メタバース環境を活用した実験基盤であり、インターネットを介して自宅からでも参加できるように設計されています。このシステムにより、従来は研究室に訪れなければならなかった実験や心理調査が手軽に行えるようになります。研究者にとっても、参加者の募集からデータ収集まで自動化されているため、短期間で大量のデータを効率よく集めることが可能です。
サイバネティック・アバター研究への道
このプロジェクトは、内閣府のムーンショット型研究開発制度であるProject Cybernetic beingの一環として進められています。LUIDAの導入により、サイバネティック・アバターの普及に向けた研究が加速し、人間の心理や行動に対する理解を深めるかもしれません。
研究内容の概要
LUIDAは、被験者募集から実験の実施、そしてデータ収集を一元化、自動化することを目的としたフレームワークです。研究者は簡単に実験設計ができ、参加者は「募集ワールド」の掲示板を通じて興味のある実験に応募します。それにより、実験は効率よく並行して実施されます。参加者はVRヘッドマウントディスプレイをつけたまま、アンケートに回答することができるため、実験体験が途切れず、一貫性が保たれます。
自動データ記録のメリット
さらに、頭部や手の動き、タスク固有の変数が自動で記録され、アバターの外見や動作特性を設定することにより、ユーザーの行動や認知について広範な研究が可能となります。これにより、心理実験やHCI(Human-Computer Interaction)の研究がより効率的に行える環境が整いました。
実証実験とその成果
実際にこのLUIDAを用いて、手のリダイレクションやプロテウス効果に基づくドラム演奏、フィッツの法則に関するVR実験が行われ、500人以上が参加しました。これにより、従来の研究手法における再現性が確認され、効率的なデータ取得が可能であることが証明されました。
研究者からの見解
東京大学の鳴海准教授は、LUIDAを用いることで従来の実験室での限られた人数対象から、一気に大規模な研究が可能になると期待感を示しています。また、筑波大学の平木准教授は、メタバースを科学的理解のフィールドとして活かすことへの期待感を述べています。さらに、慶應義塾大学の南澤教授は、メタバースの普及が我々のライフスタイルをどのように変えていくかに期待を寄せているとのことです。
今後の展開
クラスター株式会社は、LUIDAを通じて、サイバネティック・アバターの普及を進め、メタバースでの実験を広げつつ、教育や医療、産業分野への応用を模索しています。この変革は、私たちの生活をより豊かにし、新たな発見を促進することが期待されています。
参考文献
- - 論文名: LUIDA: Large-scale Unified Infrastructure for Digital Assessments based on Commercial Metaverse Platform
- - 著者: Yong-Hao Hu, Sotaro Yokoi, Yuji Hatada, Yuichi Hiroi, Takuji Narumi, and Takefumi Hiraki
- - 論文リンク: arXiv
クラスター株式会社について
クラスター株式会社は、メタバースプラットフォームを開発・運営し、多様な業種での利用が進んでいます。そのビジョンは、「あらゆるヒト、モノ、技術をつなげる共創空間のOSをつくる」ことです。より良い未来のために、カスタマイズされた空間と体験を提供し、リアルとバーチャルを融合させた新しい社会インフラを築いています。