神奈川の自動車教習所がAIで高齢者講習の効率化を実現

神奈川の自動車教習所が取り組む新たなAI活用

2025年11月19日、東京都新宿区の株式会社ショウ・コーポレーションが主催する「高齢者講習AI自動音声 × 予約システム説明会」が神奈川県横浜市の二俣川運転免許センターにて開催されました。参加したのは県内の自動車教習所27校で、AI音声による高齢者講習の予約システムが初めてお披露目されました。これにより、電話応対が70％削減され、業務の負担軽減が予想されています。

背景と問題点

高齢化が進む日本では、65歳以上の運転者が急増し、それに伴い高齢者講習の実施件数が増加しています。特に繁忙期には、電話予約だけでなく、窓口業務や教習生の対応との兼ね合いが難しくなる状況が生じていました。ショウ・コーポレーションの取り組みとして、この課題を解決するために、AIを活用した業務DX化が進められました。現場職員の声をもとに、具体的なシナリオが開発され、自動音声による顧客対応が実現しました。

新システムの導入効果

実証運用は神奈川県および千葉県の数校で行われ、AI応対を使用した結果、次のような成果が確認されています：

- 月間の受電件数が1,200を超え、そのうち有人通話時間を約70％削減。
- AIによる自動通話完結率は70％を超え、区分案内から予約取得までを自動化。
- 重複架電や転送後の予約成立率は90％以上を達成し、教習所の窓口業務が顕著に軽減。

同時通話が50回線まで可能なため、予約取りこぼしも無くなり、ピーク時の混雑が緩和されました。

独自のメリット

この新システムの最大の特徴は、AI応対型の自動音声通話と予約管理システムが一体化していることです。これにより、都道府県ごとの特性に応じた案内が可能で、完全自動化を図っている点が従来のシステムと異なる強みです。また、高齢者講習が2～4か月先の予約が中心であることを考慮し、シナリオの設計にも工夫が施されています。