魚消費拡大と食品ロス削減を目指す新冷凍技術の誕生
近年、日本における魚の消費量が減少しています。これは、調理の手間や価格の不安定さ、肉食化などの複合的な理由に起因しています。そのため、株式会社未来づくりカンパニーは、日本の食文化を守り、魚の消費を促進するための新たな冷凍技術の開発を進めています。このたび彼らは、国立大学法人東京海洋大学との共同研究を開始し、ミトコンドリア活性化による魚の旨味と品質向上に取り組んでいます。
研究の背景
未来づくりカンパニーのミッションは、「新しい価値を創造し、社会課題を解決する」ことです。彼らは、観光、環境、健康、食という4つのテーマに基づいて事業を展開し、特に魚食文化の再評価に注力しています。しかし、日本人の魚離れは深刻で、毎年消費量が減少している現状があります。
この流れを止めるためには、加工魚の普及がポイントです。冷凍フィレなどの魚がもっと身近になれば、消費が増えると考えています。また、冷凍技術の進化がこの課題解決に役立つと期待されています。
研究概要
本研究では、ミトコンドリアを活性化させることでATP(アデノシン三リン酸)の産生を促進し、そのATPから生じる旨味成分であるイノシン酸の量を増加させます。さらに、ATPが細胞を保護することで冷凍時の品質も保持されます。
具体的には、ミトコンドリアが活性化された状態で冷凍された生鮮魚の肉質を評価し、旨味成分の含有量や食感、色味の向上を比較します。このようにして、冷凍技術の科学的な根拠を構築していきます。
本技術の活用法
この新しい冷凍技術は、主に2つの場面で活用される予定です。
漁獲された魚をその場でミトコンドリア活性水で泳がせ、フィレに加工した後、急速冷凍します。これにより、旨味と品質を保ったまま飲食店や家庭用の冷凍フィレとして流通させることができます。
飲食店やスーパーで魚を捌いた際に、当日使用しない魚をミトコンドリア活性水に浸した後、冷凍保存します。必要なときに自然解凍して提供することで、食品ロスを減らしながら美味しい魚を楽しむことができるのです。
ブランド名「ミト氷旬」
この新技術を用いて冷凍された魚には、「ミト氷旬」というブランド名がつけられ、ブランド化が進められます。このネーミングは、ミトコンドリアの力で「冷凍=味が落ちる」といった常識を覆す意義を強調するものです。
将来的には、魚の魅力を再認識し、消費を拡大させることが期待されています。未来づくりカンパニーは、この技術開発を通じて、持続可能な社会の実現に貢献するとしています。
企業情報
所在地:東京都港区赤坂3-13-4 第3吉田ビル3F
代表者:代表取締役 大羽昭仁
ウェブサイト:
https://miraidukuri.co.jp
本プロジェクトに関するお問い合わせは、メール(
[email protected])または電話(03-6230-9855)にて受け付けています。