2024年の働き方に関するレポートが示す効率性と幸福度の新たな課題とは

2024年の働き方に関するレポートが示す新たな課題

Wrikeが発表した「2024 Impactful Work Report」では、働き方の変化に伴う効率性、AI技術、従業員の幸福度に関する様々な調査結果が報告されました。仕事量の増加と生産性の低下という矛盾存在が、現代のオフィスにおける重要な課題として浮かび上がっています。

仕事は増えているが生産性は低下

本調査によると、ナレッジワーカーの仕事量は昨年と比較して31%も増加したと回答する一方で、ビジネスリーダーはチーム全体の仕事量が46%増えたと感じています。しかし、これに対してナレッジワーカーは自分の業務におけるインパクトの大きい仕事が54%に留まると回答しているのに対し、ビジネスリーダーは57%がインパクトの大きい業務であると認識しており、明らかなギャップが存在しています。この結果は、職場におけるバーンアウトや従業員の不満が増加している原因を示唆しています。実際、自分の仕事に満足している従業員は3分の2未満という厳しい現実があります。

Wrike導入による効率化の成功事例

CarvanaのシニアプログラムマネージャーであるDan Wallack氏は、Wrikeを導入することで業務が大きく変化したと話します。具体的には、プロセスの合理化や効率の向上、チーム内でのコラボレーションが改善されたとのことです。また、Wrikeの多くの機能が使いやすく、特に大規模なエンタープライズポートフォリオの管理においてよりスムーズな進行が可能になりました。同様に、Window NationのクリエイティブディレクターDe Lisa Patterson氏もAI機能が業務の短縮化と精度を高める助けになっていると証言しています。

効率性向上の施策とその限界

企業はこの数年間、静かな採用や技術の統合、AIの導入といった様々な施策を実施してきました。しかし調査結果は、これらの施策の効果が必ずしも均等でないことが明らかになっています。ビジネスリーダーの32%はAIが自分の業務を支援していると考えるのに対し、ナレッジワーカーではわずか14%という結果です。AIが生産性向上に貢献しているかどうかについては、ビジネスリーダーの80%が肯定的なのに対して、ナレッジワーカーは51%にとどまっており、意識の差がここにも反映されています。

非効率の財務的な影響

また、調査では非効率が企業におよぼす財務的影響も数値化されており、非生産的なミーティングや重複作業により、年間で従業員一人あたり15,138ドル（約225万円）の無駄が生じているとの試算が出されています。こうした無駄は、どの企業においても避けられない問題ですが、Wrikeはこの問題を解消するためには、プロセスの効率化やインパクトの小さい作業の自動化を提案しています。

従業員の集中力と幸福度向上のために

調査結果からは、企業が目標達成に向けて不必要なタスクを排除し、インパクトのある業務に焦点を当てることが求められています。従業員が自身の業務に集中できれば、それに伴って幸福度や生産性も向上するというのは明白です。WrikeのCEOであるThomas Scott氏も、この点を強調し、業務の効率性と従業員のエンゲージメント向上が企業の成長に密接に関連していると述べています。

今後の展望

Wrikeは、今後も企業が競争力を維持しながら、従業員の幸福を守りつつ業務を推進するサポートを続けていく方針です。調査は米国、英国、DACH地域、フランス、日本からのビジネスリーダーとナレッジワーカーを対象に行われ、様々な視点を提供しました。

この調査結果は、今後の働き方において、AI技術がどのように企業の効率性を高めるかを考える上でも重要な要素となるでしょう。特に、ナレッジワーカーとビジネスリーダーとの間の認識の差が改善されることが、今後の課題と言えます。