ブラウンリバース株式会社は、インドネシアの中央スラウェシ州にあるアンモニア製造会社、PT Panca Amara Utama(PAU)とGHG(温室効果ガス)排出削減に向けた共同スタディの覚書を締結しました。日揮ホールディングスの傘下にあるブラウンリバースは、デジタルツイン技術を用いて、効率的なプラントメンテナンスを実現する新たなソリューションを展開する計画です。
この共同スタディは、ブラウンリバースの3Dビューア「INTEGNANCE VR」を活用し、PAUのアンモニア製造プラントを仮想的に再現して、各設備から排出されるGHGのデータを可視化します。これにより、実際のGHG排出状況を把握し、最適なプラントの運用条件を検討することが可能になります。この取り組みは、2024年7月から1年間の予定で行われる見込みです。
過去には、日揮グローバルが2022年6月にPAUとの間で締結した覚書に基づき、赤外線カメラやドローン、衛星などを用いてGHG排出量の測定を行ってきました。これらのデータは、今回の共同スタディでも利用され、メンテナンスの効率化やGHG削減のためのソリューション提案が行われます。
特にメタンというGHGは、トランジションエネルギーの製造過程で排出され、その温室効果はCO2の28倍~84倍に達するため、削減が急務とされています。欧米ではこの問題に対する取り組みが加速しており、日本でも同様の努力が求められています。ブラウンリバースの今回のスタディは、2022年に発表されたアジアゼロエミッション共同体構想(AZEC)とも連携し、国際的にも注目される活動となっています。
ブラウンリバースは、この共同スタディを通じて、環境に優しいプラントメンテナンス業務を推進し、INTEGNANCE VRの国際展開を強化する意向を示しています。こうした取り組みは、2050年のカーボンニュートラルに向けた日本政府の方針とも一致しており、今後のエネルギー転換施策において重要な役割を果たすでしょう。
日揮グループは、低炭素社会の実現に向けて、中期経営計画「BSP 2025」を掲げ、持続可能なエネルギーを目指して新技術の開発と導入に邁進しています。名誉な企業として、ブラウンリバースはもとより、日揮グループ全体がこの目標に向けて一層の努力を続けることで、環境問題解決への貢献を図っていくことが期待されます。