AI技術が拓く太陽光発電の未来
太陽光発電は、今や再生可能エネルギーの中でも注目される存在ですが、その運用における課題も多々存在します。特に発電量を正確に予測することは、設備の持続可能な運用に不可欠です。そこで、株式会社スマートエナジーが主催する「第2回太陽光発電量予測AIコンペティション」が、今年も盛大に行われ、11月6日(水)に受賞者が発表されました。
コンペティションの趣旨
この大会は、AI技術の進化を促進しつつ、太陽光発電におけるさまざまな課題を解決するためのアイデアや技術を評価することを目的としています。参加者は、スマートエナジーが所有する太陽光発電所の過去2年間の発電データをもとに、今年の発電量の予測を行うAIモデルを作成し、その精度を競いました。昨年のコンペでは予測精度のみが基準でしたが、今年は「再現性」を評価する部門が新設され、大きな改良が加えられました。
競技部門の詳細
コンペには、主に二つの部門が設置されました。ひとつは、オープン部門で、予測値だけでなく、そのソースコードも提出する必要があります。こちらでは予測精度に加え、AIモデルの検証も評価されるため、より高度な技術と創意工夫が求められました。
もうひとつのクローズ部門では、事情によりソースコードを公開できない方を対象に、予測値のみが審査の対象となりました。このように参加者のニーズに応じた内容変更がなされ、コンペティションはさらに魅力的なものとなりました。
太陽光発電の現状と未来
従来、太陽光発電所は広大な土地に設置されるメガソーラーが主流でした。しかし、適地不足が問題視される中で、今後は屋根上などに設置可能な低圧発電設備の需要が高まっています。このような状況では、発電量の予測が難しくなり、より高精度のAI技術が必要です。
スマートエナジーは、国内で太陽光発電所の運営・保守業務においてトップシェアを誇っており、AIによる発電量予測技術の確立は、同社にとっても重要な戦略のひとつです。東京大学先端科学技術研究センターの飯田誠氏と株式会社ウェザーニューズの協力を得ながら開催されたこのコンペは、まさに次世代の太陽光発電を担う技術の発掘を目指しています。
受賞者一覧
授賞式では、多くの才能あふれるチームがその技術力を競い合いました。
- チーム名:ゆぞいv2
- 企業名:沖電グローバルシステムズ株式会社
- 賞金:50万円
- かすみがうら上土田発電所の部:MAICS(三菱電機株式会社)
- 塩谷佐貫発電所の部:TeamD(三菱電機株式会社)
- 各賞:15万円
- チーム名:Alone
- 企業名:大阪ガス株式会社
- 賞金:5万円
- チーム名:ものぞう
- 企業名:株式会社NTTデータCCS
今後の展望
太陽光の安定供給は、今後のエネルギー政策にも直結する重要なテーマです。次回のコンペティションにも期待が寄せられており、AI技術の進展とともに、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた取り組みが進んでいくことでしょう。株式会社スマートエナジーは、これからもより良い未来を築くための技術革新を続けていきます。