新リース会計基準に向けた企業の方針整理が進まない理由と実態
2027年4月に新リース会計基準が適用されることが決定し、企業はその準備に追われていますが、調査によると、実際には多くの企業で準備が進んでいないことが明らかになっています。特に、固定資産管理やリース管理を展開する株式会社プロシップが行った調査によれば、53.4%の企業が方針整理段階にとどまっており、適用初年度の期首稼働を目指す企業はわずか18.7%という結果でした。
方針整理の難航
新リース会計基準に対応するためには、最初に契約調査・影響分析が行われることが求められます。この第一段階を進めている企業は22.6%、さらに方針整理に関するテーマでは、経理部門が「会計方針・システム化方針を検討している」と回答した企業が30.8%に達しました。しかし、これらのデータからも分かるように、準備はまだ初期段階にとどまっています。特に、方針整理の難しさを表す要因として、監査法人との協議が挙げられます。
企業側では、リースの識別やリース期間、少額資産基準の設定について独自の判断が求められ、監査法人との合意形成が必要です。このことが準備を長期化させる主要因となっています。
契約情報の収集が難しい現実
新リース会計基準に対応するためには、対象となる契約書を漏れなく洗い出すことが不可欠です。調査によると、「すでに調査済み」と回答した企業は僅か24.6%、そして57.1%は「現在調査中」となっています。この背景には、契約情報が各部門に分散している企業が多く、情報収集に苦戦している現状があります。
対象契約の把握ができなければ、その後のリース識別や判定にも影響が出るため、早急に契約情報を一元管理する体制が求められます。
監査法人との協議が遅延要因
新基準の適用が迫る中、「リースの識別」や「リース期間の判定」においても、監査法人との協議に長い時間を要していることがわかりました。約6割の企業が延長オプションの行使を意識せざるを得ない状況であり、これがさらに処理を難しくしています。リース期間の設定は使用権資産やリース負債に直接影響を及ぼすため、しっかりとした判断が必要です。
少額資産基準の設定と実務負荷
少額資産基準の設定に関しても、多くの企業が新たな基準を導入しようとしていますが、これには各企業の事情や運用によって判断が分かれ、管理が複雑化しています。多くの企業が実務負荷を軽減しながら妥当な基準を設定することが求められていると考えられます。
システム導入の遅れ
新リース会計基準の適用に踏み切ることは、経理部門に大きな負担をもたらす可能性が高く、そのためのシステム導入が後回しになってしまっています。調査では多くの企業がシステム本番稼働の時期を適用初年度の期首から外していることも、準備の長期化を示しています。
結論
新リース会計基準に向けた方針整理が進まない理由は明確です。企業は各種管理体制の整備や監査法人との合意形成、契約情報の収集が整わない限り、システム導入に踏み切れない状況にあります。そのため、プロシップではこれらの準備を支援するために、さまざまなリソースを提供しています。新基準への円滑な対応には、方針整理の段階を軽視せず、並行してシステム選定を進めることが不可欠であると言えるでしょう。