日本曹達と三谷産業、抗リウマチ薬の新製造法を開発
日本曹達株式会社と三谷産業株式会社のグループ会社、アクティブファーマ株式会社は、東京大学と連携して抗リウマチ薬「イグラチモド」の効率的かつ持続可能な製造プロセスを開発しました。この成果は、化学分野での国際学術誌「ACS Sustainable Chemistry & Engineering」に掲載され、大きな注目を集めています。
研究の背景
イグラチモドは主に関節リウマチの治療薬として広く使用されています。さらに、最近ではCOVID-19重症化の抑制にも期待されていますが、従来の製造プロセスには多段階工程と有機溶媒の大量使用という欠点がありました。このような課題に対処するため、より環境に優しく効率的な製造法の確立が求められていました。
新しい製造プロセスの概要
本研究では、ポリスチレン樹脂に固定化したNHC触媒を用いた連続フロー法が採用されました。この手法により、医薬品の原薬であるイグラチモドの合成が成功しました。NHC触媒は金属を使用せず環境に配慮した特徴を持ち、高い反応性を誇ります。
研究のポイント
1.
連続フロー法での安定性: 新開発のNHC触媒により、従来の固定化触媒よりも遥かに高い耐久性を実現しました。
2.
長時間の運転テスト: 最適化された条件下で、24時間にわたる連続運転試験を行い、その間に約1.8gのイグラチモド前駆体を安定的に生成することに成功しました。
3.
簡便な後処理: フロー反応後には、酸洗浄や再結晶などの単純な操作でイグラチモドを効率的に取得できました。
未来への道筋
今回の研究で確立された「不均一系有機触媒×連続フロー合成」は、医薬品原薬の持続可能な製造を実現する技術基盤となることが期待されます。また、今後はこの技術を他の医薬品や農薬の製造に応用し、廃棄物の削減やコストの低減、安全性の向上に貢献していく計画です。
連続フロー法の背景
2015年、東京大学の研究グループは「連続フロー法」の手法を構築し、医薬品の有効成分を効率的に合成することに成功しました。この技術は、個々の反応を連結することで、複雑な化合物を効率良く生産する手法として注目されています。
日本曹達と三谷産業の関係
この研究は、日本曹達と三谷産業の連携から生まれたものです。1928年に創業した三谷産業は、日本曹達の化学製品を取り扱う事業を展開し、今では両者の関係は深いものとなっています。今回の技術提携により、さらに強力なパートナーシップが形成されていることが伺えます。
企業情報
- - 日本曹達: 1920年に設立され、独自の技術とノウハウで高機能な化学製品を提供。環境、安全に配慮した事業活動を行っています。
- - アクティブファーマ: 2009年に設立された医薬品原薬の開発・製造を行う会社で、社会ニーズに応じた原薬の開発に積極的に取り組んでいます。
- - 三谷産業グループ: 化学品、情報システム、エレクトロニクスなど多様な分野で事業を展開している総合商社です。
まとめ
日本曹達と三谷産業の共同研究は、抗リウマチ薬の製造に革命をもたらす可能性を秘めています。今後の展開にも大いに期待がかかります。