全国のこども宅食支援調査に見る、実態と課題
認定NPO法人フローレンスは、2024年10月から11月にかけて「子育て世帯へのアウトリーチ支援 全国状況調査」を全国の自治体や民間団体を対象に実施しました。この調査は、一般社団法人こども宅食応援団との共同により、現在のこども宅食に対する理解や実施状況を把握することを目的としています。この調査結果は、子ども支援の現場で何が求められているのかを示す重要な指針となります。
調査の背景と目的
「こども宅食」は、困難を抱える家庭に定期的に食品を届けると同時に、必要に応じて専門的な支援につなげる取り組みです。フローレンスは、この活動を全国に広めるため、さまざまな施策を進めています。
最近の政策でも「こども未来戦略」が閣議決定され、こども宅食の重要性が強調されています。このような中、調査を実施することで子育て支援の現状と課題を浮き彫りにし、今後の活動に活かすことが狙いです。
調査概要と実施方法
調査は2024年10月2日から11月18日の間に行われ、マクロミル社のオンラインアンケートを用いて実施されました。対象は、日本全国の47都道府県の市区町村に勤務する児童福祉や子育て支援に関わる担当者、またはNPO法人などの民間団体の担当者です。調査に対する回答は、自治体からは400件、民間団体からは628件が寄せられました。
調査結果のポイント
こども宅食の普及状況
調査の結果、こども宅食を実施している自治体は全体の16%であり、依然として普及が不十分なことが確認されました。一方で、支援が必要な家庭の見守りや、児童虐待の発見・予防が期待されていることもわかりました。
支援の必要性と期待
自治体及び民間団体は、経済的困窮への直接的な支援だけでなく、家庭の見守りや孤立状態の軽減が重要だと認識しています。ある自治体の担当者は、こども宅食という手法ならではの効果を実感していると述べ、食料支援が家庭との関係構築のきっかけになる可能性があるとしています。
導入障壁
しかし、こども宅食の普及には、ノウハウや情報の不足、人手の不足、さらには財源の制約といった障壁が立ちはだかっています。これらは自治体と民間団体の双方が共通して抱える問題であり、今後の課題として浮き彫りになりました。
こども宅食の今後の取り組み
フローレンスはこの調査の結果を受けて、官民連携によるアウトリーチ支援を進めるためのセミナーを開催し、自治体、民間団体による共同事例や資源の確保についての情報を提供しました。このセミナーには多くの参加者が集まり、関心の高さを示しました。
今後もフローレンスはこども宅食応援団と連携し、さらなる普及に向けて取り組みを続けていく予定です。具体的な支援や情報の提供が進むことで、こども宅食がより多くの家庭に届き、必要な支援が行き渡ることが期待されています。
詳細な調査結果やセミナーの情報については、
こちらから確認できます。
フローレンスについて
フローレンスは、日本初の訪問型病児保育や、こどもの貧困解決に向ける「こども宅食事業」など、多岐にわたる事業を展開する認定NPO法人です。未来のこどもたちのために、社会課題の解決を目指し、さまざまなプロジェクトを推進しています。詳細は、公式サイトにて確認できます(
フローレンスコーポレートサイト)。