フィンランド発のAivenが新たな資金調達に成功
フィンランドを拠点とするデータクラウドサービスプロバイダーAiven社が、1億ドルの資金を調達した。このラウンドを主導したのは著名な投資会社Atomicoで、Salesforce VenturesやWiLなどの新たな投資者も名を連ねている。また、Aivenの過去の資金調達ラウンドであるシリーズAとシリーズBに関与した投資家たちも、資金提供額を増加させている。
資金調達の目的
今回の資金調達によって得た資金は主に以下の用途に活用される予定だ。
- - 新製品の市場投入
- - オープンソース技術開発への貢献
- - 国際的な事業展開の拡大
Aivenは、グローバルな市場に向けたデータクラウドサービスを展開しており、今回の資金調達によって、まだ十分なサービスが行き届いていない地域へのアプローチを強化する方針だ。また、今後1年間で従業員数を倍増させ、公式のオープンソースプログラム担当オフィスを立ち上げる計画もある。
DX推進の課題解決
近年のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の潮流の中で、企業は多くの課題に直面している。具体的には、技術的な専門知識に欠け、外部のベンダーに依存せざるを得ない状況や、データのロックイン、障害による顧客データ損失、さらにはインフラ構築に多くのエンジニアリソースが割かれてしまうことが挙げられる。
Aivenが提供するサービスは、インフラ構築からアプリケーション開発へとリソースを集中的に投入できる環境を提供し、これらの課題を解決する手段となるだろう。特に、必要に応じてスケールアップが可能であることや、アップタイムが保証される点は、大規模な運用を目指す企業にとって大きな利点となる。
Aivenのサービス概要
Aivenは、Apache KafkaやCassandra、Elasticsearchなどの人気のオープンソースプロジェクトをフルマネージドサービスとしてクラウド上で提供している。オープンソース技術は誰でも利用できるが、そのセットアップやセキュリティ対策、トラブルシューティングには相当な時間と専門知識が必要とされる。Aivenを利用することで、開発者たちはインフラ管理の手間から解放され、製品開発に集中できる。
既存の顧客とその支援内容
Aivenのサービスは多種多様な企業に利用されており、例えばアメリカのComcast、フランスのDecathlon、フィンランドのWolt、イギリスのOVO Energyなどがその一例だ。Aivenは主要なクラウドプラットフォーム全体でエンドツーエンドのセキュリティ、設定、メンテナンス、そして24時間体制のモニタリングを提供している。
CEOからのメッセージ
AivenのCEOであり共同設立者のオスカリ・サーレンマー氏は、オープンソースの重要性を強調し、今後の資金調達によって新たな機能やチームの成長、さらに新市場への進出を続ける意向を示した。また、コミュニティへの貢献も強化していく考えだ。
一方、WiLのパートナーである代田常浩氏は、エンジニアの労働力が組織にとって最も不足している資源の1つであると指摘し、Aivenが提供するサービスによって開発者がインフラ管理から解放され、アプリケーションのイノベーションに専念できると期待を寄せた。
会社情報
ヘルシンキに本社を構えるAivenは、主要なクラウド上でオープンソース技術の管理を行うことで、企業が技術の利点を最大限に引き出せるようサポートしている。Aivenの詳細情報は公式サイト
こちらで確認できる。
Aivenとその支援者たちの今後の展開に注目が集まる。新たな投資を通じて、オープンソース技術の民主化が一層進むことが期待されている。