木造住宅の新たな可能性を広げる、帝人とLib Workの提携の背景と展望
2023年、株式会社Lib Work(熊本県山鹿市)と帝人株式会社(大阪市)が、木造住宅の展開を目的とした戦略的パートナーシップ契約を結びました。この取り組みは、国産木材の有効活用や、持続可能な住環境の実現を目指しています。
1.気候変動への対応としての木材利用
近年、気候変動や資源枯渇が深刻な問題となっている中、日本の豊かな森林資源の活用が注目されるようになりました。特に、杉材は、日本の人工林の約44%を占めるものの、構造材としての限界から十分に活用されていませんでした。耐震性を確保するため、構造材として用いるには柱や壁が多く必要で、ライフスタイルの変化により、開放的な住まいの需要が高まっていることが課題となっています。これに対し、帝人は独自の高機能材料「LIVELY WOOD」を開発し、国産杉材と炭素繊維を組み合わせた新しい木材を提案しています。
2.「LIVELY VILLA」シリーズの展開
帝人は、新たな住宅というコンセプトに基づいたプロジェクトを推進していますが、本プロジェクトにはLib Workの協力が欠かせません。Lib Workは、サステナブルな住まいづくりと地域経済への貢献を目指しており、両社が一致した理念を持ってパートナーシップを築くに至りました。この提携により、来たる2025年1月には「LIVELY VILLA(ライブリーヴィラ)」シリーズの住宅が販売される予定です。
LIVELY VILLA Nokiについて
パートナーシップの初めのプロジェクトとして登場するのが「LIVELY VILLA Noki」です。この住宅は、木材の2倍以上の剛性を有するLIVELY WOODを利用し、室内空間を大きく取れるように設計されています。柱や壁が少ないため、住む人のライフスタイルに合わせた自由なアレンジが可能で、自然と調和した開放的な生活空間を提供します。特に、3mの深い軒下を確保したデザインは、インドアとアウトドアを緩やかにつなぎ、心地よい暮らしを実現します。
3. 将来的な展開と目指す姿
2025年4月には、福岡県糸島市と熊本県阿蘇郡西原村にモデルハウスを設置し、実際に体験できる場を提供する予定で、2030年までにシリーズ累計で1,000棟の販売を目指しています。この取り組みを通じて、日本の林業の活性化や地域経済の発展、さらには環境保全への貢献を実現していくことが期待されています。
4. SDGsへの取り組み
Lib Workは、持続可能な未来のためにも、SDGs(持続可能な開発目標)に基づいた取り組みを進めています。特に、「住み続けられるまちづくり」や「気候変動への具体的な対策」などを通じて、社会や環境への配慮を高めています。このような取り組みは、ただのビジネスに留まらず、幅広い視野で社会貢献が果たされることに繋がります。
結論
この重要なパートナーシップにより、木造住宅の新たな可能性が広がります。「LIVELY VILLAシリーズ」は、ただの住まいではなく、環境に優しく、人々の生活をより良くするための革新を象徴しています。これからの展開が非常に楽しみです。