行橋市が進めるリユース推進の新たな取り組み「おいくら」

行橋市では、可燃ごみの排出量が約80%を占めるという深刻な課題に直面しています。市民の間でまだ使える物品が廃棄される現状を受けて、市はリユース意識を高めるための新たな施策を模索しました。その結果、マーケットエンタープライズとの連携が実現し、「おいくら」というリユースプラットフォームを採用することとなりました。

「おいくら」は、不要品を売却したい人が複数のリサイクルショップに一括査定を述べることで、買取価格を比較しやすくするサービスです。この仕組みにより、約130万人以上の人々が利用し、手軽に不要品を売却できる機会を提供しています。今回の取り組みは、行橋市民が自宅にて不要品の出張買取を選択できるため、わざわざ運び出す必要がなくなります。

市では現在、大型品や重い物品の処分を行う際、住民から「自宅まで引き取りに来てほしい」という要望が多く寄せられていました。「おいくら」は、そのニーズに応える形で訪問買取を行っており、冷蔵庫や洗濯機などのリサイクル品でも買取が可能です。これにより、大型品が売却しやすくなり、利用者が抱えていた手間を軽減します。

本施策の導入により、行橋市は廃棄物処理のコスト削減とともに、リユース活動の促進を通じて循環型社会の実現に貢献すると期待されています。加えて、自治体のHPには「おいくら」についての情報が掲載され、市民が直接査定依頼を行うことも可能になります。

行橋市は福岡県北東部の中心都市であり、自然に恵まれた地域です。主要な交通機関も整備されており、産業の集積が進んでいます。このような地域特性を活かし、市民のリユースへの意識を高めることで、地域全体が持続可能な社会へ進化することを目指しています。

株式会社マーケットエンタープライズは、持続可能な社会を実現するためのビジョンを掲げ、リユースを中心とした事業を展開しています。同社は2006年に設立され、現在までに成長を続けており、ネット型リユース事業を基盤としています。行橋市の取り組みは、マーケットエンタープライズが導入した全国180の自治体の中でも新しい試みであり、今後の展開が注目されます。

この「おいくら」プラットフォームの活用によって、多くの市民がリユースに対する意識を高め、「廃棄」から「リユース」へと選択肢をシフトさせることが期待できるでしょう。行橋市が目指す循環型社会形成に向けた官民連携の取り組みが、今後どのように進展するのか、引き続き注目が集まります。