高校生の探究学習
2025-06-27 10:52:06

地域と子どもたちをつなぐ「探究学習」 高校生たちの汚れる楽しみから生まれた新しい発見

地域と子どもたちをつなぐ「探究学習」



茨城県の結城市にある金属製品製造会社、株式会社ヤマナカが高校生たちとの新しいプロジェクトを実施しました。2025年6月8日、同社は茨城県立鬼怒商業高等学校の1年生18名と共に、田んぼでの雑草取り体験とグループディスカッションを行いました。この活動は「探究学習」の一環として、自ら考え行動する力を育むことを目的としています。生徒たちは田植え体験と振り返りながら、SNSを駆使した情報発信や農具に関する説明書の作成など、多彩な提案を行い、泥にまみれた体験から学びを広げました。

地域の未来を憂う町工場の決意



ヤマナカの代表取締役社長、山中崇氏は、地域の小学校再編計画に危機感を抱き、故郷の未来を憂い、教育支援を始めました。「母校を訪れた際、静まりかえった教室を目の当たりにして、地域の教育がこのままではいけないと強く感じました」と彼は語ります。この想いから、2023年にライフスタイルブランド「アッシーリス」を創設し、「ものづくり」と「農業」を結びつけたプログラムを始めました。

高校生たちの新たな発見



今回の体験は、高校生たちに農業の現場やその重要性を実感してもらうものでした。初夏の日差しの中、手押し除草機を使いながら、泥に足を踏み入れると、驚きの声が次々と上がりました。「土の感触が新鮮だ」「汚れるのが楽しい」といった言葉も。彼らは次第に夢中になり、雑草を取りながら、農業の本質に触れていきます。体験を通じて、農業を支える人々の苦労や自然との共生の大切さを理解する機会としました。

体験から生まれた食への関心



生徒たちは、以前の田植え体験で「にわ先かまど」を使用して炊いたご飯の美味しさにも感動しました。「伝統的な方法で炊いたご飯は家庭で食べるものより美味しかった」との声が上がり、食への興味が根付く瞬間でした。参加した生徒たちの充実した表情とともに、彼らの心の中に新たな食文化の理解を生む体験が確かに存在しました。

高校生ならではのアイデア



体験後は、グループに分かれてディスカッションが行われ、「体験からの気づき」や「今後の米作り体験への提案」をテーマに発表しました。SNSを活用した情報発信やキャラクター制作、料理レシピの提案など、多様なアイデアが飛び交いました。特に、「道具の使い方をまとめた方が良い」という意見があり、印象的でした。これらの提案は、ただ楽しい体験だけでなく、実践的な知識を学ぼうとする真剣な姿勢を示しています。

今後のビジョン



山中社長は今後の展開について「受け取ったアイデアを実現するため、新たな情報発信の強化や体験プログラムの企画、年間を通じた農業カリキュラムの構築を行っていきたい」と語ります。さらには、「にわ先かまど」の開発を通じて、全国の食卓に伝統と技術が融合した新たな価値を届けることを目指しています。災害時にも対応できる「0円炊飯」の技術が、地域の豊かさをもたらすでしょう。

社長の言葉



山中社長は、今回の体験から感じた想いをこう言います。「泥だらけになって笑う高校生たちの顔を見ていると、私たちの進むべき道が見えます。土地の感触や仲間との絆は、子どもたちに伝えたい本物の豊かさなのです。」

この活動は、地域の未来を見据えたヤマナカの挑戦を象徴しています。 彼らのような新しい取り組みが、次世代にどう繋がっていくのか、今後の展開から目が離せません。


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会社情報

会社名
株式会社ヤマナカ
住所
茨城県結城市大字矢畑字結城寺前157
電話番号
0296-35-0567

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