政党選択の実務能力
2025-06-17 10:35:20

日本有権者の政党選択における実務能力の重要性が判明

日本有権者の政党選択に関する新たな知見



日本における政党選択の背景には、実務能力に対する重視があることが明らかになりました。明治大学政治経済学部の加藤言人専任講師を中心とした研究グループが行った調査では、有権者が政党を選ぶ際、政策の一致度に加え、実務能力も重要な要因であることが実証されました。この発見は、これまでの政治研究においてあまり注目されてこなかったヴェイレンス属性の重要性を示しています。

研究の背景と方法



これまでの政治学では、投票行動を政策的立場(争点態度)が中心に扱われてきました。しかし、有権者が持つ政党や候補者に対する信頼性、実績、スキャンダルの影響など、政策以外の要素(ヴェイレンス属性)について理解は十分ではありませんでした。この研究は、日本の『2022年参議院選挙』前に行われた調査を通じて、どのような要素が有権者の投票行動に影響を与えるのかを明らかにすることを目指しました。

具体的には、コンジョイント実験を用いて、政策に関連する属性と実務能力に関わる属性を組み合わせた架空の政党プロファイルを提供し、有権者の好みに影響を与える要因を測定しました。この方法により、有権者が何を重視しているのかを明確にすることができました。

重要な発見



1. 政策と実務能力の両面の重要性


調査結果によれば、有権者は政策が自らの好みに一致することと、政党のヴェイレンス属性が高いことの双方に重きを置いていることが分かりました。選挙制度や地域に関係なく、この傾向は一貫しています。

2. 特定のヴェイレンス属性の重視


11のヴェイレンス属性の中でも、国会内での議員数や公約実現度、法案提出数、スキャンダルの少なさは特に重視されました。一方で、政党の結党年数や党首の経験に関しては、有権者の評価にはあまり影響を与えないことが明らかになっています。

3. ヴェイレンスと政策の独立性


ヴェイレンス属性が高くても、政策が有権者の好みに合わなければ支持が得られないという傾向もありました。つまり、実務能力と政策は独立しており、どちらも有権者の選択に重要であるとされています。

社会的影響と今後の展望


この研究結果は、日本の政党評価や投票行動における新しい視点を提供します。特に、自民党が長期にわたり政権を維持できた理由として、他の政党に対する実務能力(ヴェイレンス)における優位性が考えられます。また、野党にとっては、政策の違いに加えて、信頼性や実績をアピールすることが、支持を広げるための戦略として重要であることが示されています。

今後は、ヴェイレンス評価をより現実的な文脈で分析し、他国の選挙制度や政治文化における特色を考慮した研究が求められます。この研究が示すように、有権者の投票行動には多くの要因が絡み合っており、これらを総合的に理解することが必要です。

このような新たな視点を基に、次世代の民主主義を支えるために必要な研究や政策提案が期待されます。


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