腸ホスファターゼの新発見
2025-07-03 09:33:24

腸アルカリ性ホスファターゼがコレステロール代謝を調節する新たな発見

腸アルカリ性ホスファターゼの重要な役割



岐阜大学の先制食未来研究センターによる最新の研究が、腸アルカリ性ホスファターゼ(IAP)の新たな役割を明らかにしました。研究チームは、腸アルカリ性ホスファターゼがコレステロール低減化ペンタペプチド(IIAEK)の受容体として機能し、マウスのコレステロール恒常性を制御することを発見しました。この知見は、食物タンパク質の消化および代謝における重要なメカニズムについての理解を深めるものです。

研究の背景と目的



これまでにも腸アルカリ性ホスファターゼはその酵素的な役割が注目されていましたが、具体的な機能は未解明な部分が多くありました。本研究では、腸でのコレステロール代謝におけるIAPの役割を明らかにし、生活習慣病の改善や健康寿命の延伸を目指すことを目的としています。

研究成果の概要



研究グループは、腸アルカリ性ホスファターゼがIIAEKに対して特異的に相互作用することを発見しました。このことにより、IAPがコレステロール代謝においてどのように機能するのか、より深く理解できるようになりました。通常のマウスではIIAEKの摂取によって明らかなコレステロール代謝改善作用が観察されましたが、IAPを欠損したマウスではその作用が見られなかったことから、IAPがコレステロール代謝において不可欠な存在であることが確認されました。

更に、腸に存在する膜貫通糖タンパク質のカドヘリン17との相互作用も明らかにされ、IIAEK-IAP複合体が信号伝達において重要な役割を果たすことが示されました。

今後の展望



本研究の結果は、腸内におけるオリゴペプチドの受容および感知メカニズムの解明に寄与し、膨大な応用可能性を秘めています。今後の研究では、腸アルカリ性ホスファターゼを目指した機能性食品や医薬品の開発が進むことが期待されています。これにより、脂質異常症や生活習慣病の予防、健康寿命の延長に大きな影響を与えることができるでしょう。

研究の意義



腸アルカリ性ホスファターゼの受容体としての新しい機能が発見されたことは、食物由来の成分が人間の健康に及ぼす影響についての理解を深めることに繋がります。この研究は、理論だけでなく実践的な面においても人々の健康管理に寄与する成果として、科学界において注目を集めています。

研究支援と問い合わせ



この研究は科学研究費助成事業によって支援されています。さらに詳細な情報や共同研究の機会については、岐阜大学高等研究院先制食未来研究センター特任教授の長岡利までご連絡ください。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

会社情報

会社名
岐阜大学
住所
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。